アーセナル、市川に来るってよ。 | ブログ

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 市川といえば市川カネヅカSCですよ。サッカーを心から愛するコーチたちが汗水流して雑草を抜き、手作りでネットを立て、荒地を整備してサッカーコートを作り、近所の普通の子供たちを選手権で活躍できる立派なサッカーマンに育てている歴史あるクラブです。広山望、福田健二らを輩出してますね。





 その市川の地にアーセナルがサッカースクールを開校するんだとか。アーセナルのブランド力なのか、市川市が遊休地を提供してるんだって。カネヅカの人が聞いたらやるせないだろうな。30年近く市川に根を下ろして活動してめちゃめちゃ市への貢献度高いと思うんだけど、アーセナルの名前があると土地をポンと貸してくれるのね。





 入会金3万円、月額最大2万6000円。どんな子供が通うんだろう。保護者は「ひゃっは~! プレミアの名門が来たよ、わが子を宮市くんのように育ててくれるに違いない、入会金が高めだろうが関係ない、息子がアーセナルのスクールに通ってるってご近所さんにも自慢できるわ」みたいな人で、その息子がターゲットだとしたら息子が気の毒でならないな。





 いまのところホームページを見る限りでは、これぞアーセナルの練習法ってのは伝わってこない。いま言える最大のメリットは常設の練習コートくらいかな。代表の幸野さん、コーチの権東さんは俺も面識があり人格者なのは間違いない。単に金儲けのスクールではないと確信しているけど、既存の優良クラブの潜在顧客を奪ってしまうことのないよう最大限の配慮をしてもらいたい。まあ、結果的に割高の値段設定がある意味差別化になってるかもしれない。





 スポーツを楽しむ子供のパイを広げることにアーセナルのブランド力を使ってもらいたい。また、当然アーセナルならではの育成を日本でも確立させてもらいたい。ただ結局サッカーって試合環境がものすごく大事で、個のクラブがいくら海外メソッドの練習法を取り入れても限界がすぐに来るようにも思う。せっかく幸野さんが関わるのであれば、少年サッカー界のあり方に一石を投じるような前向きな取り組みをしていってくれることを期待したい。





 海外名門クラブのサッカースクールの日本進出にあんまり目くじらを立てる必要はないけど、要は中身なのよね。中身に「さすが!」と思わせるものがないと、ブランド商売と思われても仕方ない。





 中身があるかどうか、そのパロメーターとしてはとにかく既存の優良クラブに「アーセナルが市川に来てくれて、お互い切磋琢磨できてありがたいよ」という評価をもらえるかどうかだと俺は思っている。個人的にはカネヅカの子供がアーセナルの子供をけちょんけちょんにやっつけている図を見たいけど。「プレミアの育成がなんぼのもんじゃい、日本の町クラブの指導を舐めんなよ」ってね。良き競争が生まれることを願って。





 カネヅカの奥山さんとアーセナルの幸野さんの対談をどっかのジュニアサッカー誌でやってくんないかな。