[小話]闇 | まどろみの庭 R2

まどろみの庭 R2

PSO2の日記とかかいたり。最近心が折れそうな風太さんがお送りいたします。



「ただ、闇にたゆたう」

「名前も無く」

「僕は今、ひとりぼっち」


暗い闇の中には黒く崩れた壁と何かの残骸。


「ねぇ、早く迎えに来てよ」

「愛しきひと」

「それが自己愛だとしても」

「赦してくれる、君の神が」


青年の髪が、生暖かい風でなびく。


「君の心は、こうしているうちにも」

「染まっているのだね」

「憎悪に」


初めには闇だけがあった。
そこには闇だけがあった。

名も無い青年は、そっと火を付ける。
憤怒の炎の種火。罪が始まる。


「愛しきひと」

「まだ会えるのは遠く未来」



「待っているよ」

「10年」

「その先になろうとも」

「僕は、待っている」