作成日:2014/05/26
ファンタジーな文学作品に出来そうな歩みに見えるシリーズ。
とある青年の冒険の軌跡、第二部。
1.
王国騎士団から去った後、居場所を失った青年は旧き友人「羊の悪魔」の旅団へ身を寄せていた。
羊の悪魔は、兎の悪魔と、犬だか猫だかわからない悪魔と共に組んでいた。
変わらない思い、変わりゆく環境。そこにひとつの風が吹く。
「俺達と一緒に来ないか」そう青年に囁く少女。
彼女は青年と二人で強敵と戦い、背中を預けた仲であった。
2.
少女の誘いに乗り、悪魔の旅団を抜けた青年は彼女の旅団へと連れて行かれる。
そこには全身が機械の男と、青い髪の女性、のほほんとした魔法使い、そして嫁の尻に敷かれる影のリーダーがいた。
共に戦い、様々な話をし、そこでもまた諍いを起こす青年。
彼の居場所は、どこにもなかったのだろうか。
3.
道に迷って彷徨うのは慣れている。青年はまた、居場所を失った。
街の中、ふと足を止めると、そこには羊の悪魔が座り込んでいた。
彼女は冒険者をやめてしまいたくなった事等を話した。
そう落ち込む羊の悪魔に青年は、かつて彼女が着ていたものと同じローブがあるということを知らせる。
そのローブを手に入れた少女は、めめぇと一鳴きした。
4.
結局悪魔の旅団に戻ってきた青年。
新しい仲間も増えて、騒がしくも楽しい生活を送るが、そこにも様々な問題が発生するのだった。
「周りの者全てを不幸にする」。
かつてそう予言された通り、彼はまた、仲間たちに不幸を与える。
そして――彼自身にも、不幸が訪れるのであった。