K子はピアノの弾き語りをしていた。細いゆびからどうしてそんなにエネルギーを感じさせる音が出てくるのか。席でたばこに火をつけてくれるときは、寄せる躯のふくらみが肘に触れてどきどき。なけなしのバイト代をつぎ込んだ日々。
通ってるうちに、うちにこないかという。電車は終わってるのでふたりタクシーに乗り込む。...その日を境にして、店ではなく彼女の部屋へ通った。ゼミひけたら家にはかえらずそこへ。養ってあげるから一緒にいようね、働かなくてもいいからね。
そのままでもいいかなと思った。白い指、ふっくらした胸、きゅっとしたお尻、ハイコントラストなメイクで美形。服はちょっと派手かもね。全てが彼女のやさしさに満ちていて、居心地のいい部屋だった。でも半年が過ぎた頃、じっとしていて前に進まず駄目になる自分に気がついた。そしてうちに戻った。
あなたとは、私の全てを投じて一緒にいようとおもう。でもそれぞれの役割を一生懸命、ともに働いていたいと思うんだ。居心地の良さにじっとすることなくあなたの優しさに感謝していつも先を見て前に進みたい。