なぜか雇用促進住宅にまた住んでいて、その四階の廊下の格子の間から愛犬クロが飛び出し地上へ落下、二階の廊下の手摺りに激突して地面に落ちた。


血を吐いて内臓の一部が飛び出たように見えた。


あ、死んだ!


そう思った、息子が走って降りて行き、医者を呼んだ。その日は武道の稽古に行く日だったが、クロの対処を優先した。


降りてみたらまだクロには息があった。


医者が来た治療をしたと思う、死んだ描写はなかったから、何とか生き延びたのかもしれない。


リアルな夢だったのと愛犬が四階から落ちて鉄の手すりに激突する様が妙にハッキリしてたから頭に残った。


でも、ウチは持ち家の平屋だ、4階なんて無いし雇用促進住宅に住んでいたのは24年ほど前のことだ。


完全にフィクションだったが、弟が赤ん坊の頃ビルから落ちるかどうかで首の骨を折り四肢麻痺になる夢を見て、その二十数年後、本当に弟はバイクの事故で頸椎損傷し四肢麻痺になった。


そういうことがあったから愛犬クロの事も心配になった。


カミさんに道路で車に跳ねられないよう気をつけるように言っといた。


愛犬コゲとクロは母親のアンがこのウチで産んだ二匹だから、アイツらはこの家が自分たちの家だと思っている。




間違ってリードが離れても家の周りからは外に行かないし、しばらくしたら玄関の前に座って待っている。


特にクロは子犬の頃から気の良い犬で人懐っこく、人が来れば吠えるが、威嚇ではなくワシらに知らせるために吠えてる感じだ。


中型犬だし雇用促進住宅の廊下の手すりをすり抜けられるはずもないのだが、妙にリアルで鮮明だったその夢がショックだった。


母親のアンは数年前ガンで死んだ。ワシは最後の瞬間、一声泣いてから倒れるのを目の前で見ていた。


とても優しい気の良い犬だった、もっと愛してやればよかったと今でも悔いが残っている。


何でもない雑種だが、最初は疎ましがっていたカミさんも今では可愛がっている。


アンが死んだ時も涙を流していた。


まあ、犬だからワシらより早く逝くかも知れない。ワシの方が早く逝くかも知れないが、それまで愛してやろうとは思う。


事故でも病気でも愛犬が死ぬのはやっぱり悲しい。だから飼いたくない人もいるが、いなくなるとロスになる気がして、アンを避妊せず子犬が生まれてから避妊した。


アンが死んだのち愛犬ロスでカミさんが寂しくならないように考えた事だ。 


躾も何もあったもんではない二匹だが、とにかくカミさんの後ろをついて回るし従順だ。


最後までみてやりたいと思っている。