下巻を読み終えた。


南総里見八犬伝の物語より滝沢馬琴の人となりと八犬伝執筆中の生活環境、馬琴の苦悩や思考などが主体となって綴られていく。


南総里見八犬伝の後半の物語はほとんどあらすじで語られていて、超長編にならざるを得なかった馬琴の性格や嗜好などが解説されている。


勧善懲悪!


山田風太郎によると、どうやら滝沢馬琴の主題というか命題というか、絶対的な価値観みたいなものが徹底してて、それが物語を事細かく細密に描写されるが故に超大作となったみたいだ。


男にはよくありがちな、合理的な理屈を構築しようとする傾向が馬琴には特に強過ぎたということらしいが、更に、現実の理不尽から物語の中には善因善果、悪因悪果を貫き通さねば気の済まない人になったみたいだ。


本当に南総里見八犬伝は最後まで読むのが大変な作品で、小学生だったワシも現代語版でさえ挫折してしまっている。


純粋に南総里見八犬伝を読んで物語を全て把握したいと思っていたら、山田風太郎原作では下巻になると後半に行くに従ってほとんど細かい部分が省略されてあらすじで説明されてくる。


嫁の代筆の困難さの説明で原書の文がちょっとだけ紹介されているがとんでもなく難解で、あれが全98巻、106冊もの超長編として綴られてるものを読破するのは、ワシには不可能だと思った。


だから、まずはビギナーズ・クラッシックスを読み、次は白井喬二の現代語訳版を読もうと思う。



あれなら上下二巻だから読める。





しかしなぁ、今回の映画は滝沢馬琴その人を描きたかった風も感じるけど、ちょっと大まかだな。


八犬伝のストーリーは勧善懲悪のみは描けてると思ったが、八犬伝の物語りからはだいぶ変更されていて、ワシとかだとちょっと納得いかないものになっている。


今の映画事情だとしょうがないのかな?


山田風太郎の八犬伝は、最後までしっかり八犬伝が描かれてると思ったら、最後は端折りのあらすじになっててちょっと不満足だった。


でも、以前よりはより深く全体の把握ができたのは、山田風太郎の文章力のおかげだと思う。


だから読んで良かった!