知り合いが、宮崎の口蹄疫対策に1週間動員されました。

彼は獣医資格は無いので雑用を請負いました。具体的に言うと、獣医さんが薬物注射をした豚を死ぬまで押さえ付けている仕事です。

彼の本来の仕事は行政事務なので、死が日常にある職場ではありません。最初は、ブヒブヒ鳴いて暴れる豚を押さえながら「『苦しいよお、助けてー」とか言ってるのかなあ。可哀相だが、助けてやれないんだ。成仏してくれよ。」と心で哀れみ、実際に死んだ豚に手を合せていたそうです。

ところが、それが何頭、何十頭と続くうちに、次第に心境に変化が生まれてきたのだとか。

五十頭を越えた頃には、「ブヒブヒ鳴いてないで、さっさと死ね!俺の昼飯の時間が短くなるだろうが!」と、まで思うようになったのだそうです。

心優しき男が、わずか3日で殺人鬼のような心境に変わる。

慣れって怖いですね。