~夜行バスを待ちながら~
別居生活を送ってたけど、もう修復できないだろう。
もう仕事も頑張る必要が無くなった・・・
残りの人生は、ジプシーのように各地を転々としながら生きてみたい。
東京行きの夜行バスの片道切符を予約し、携帯電話を居間のテーブルに置き、重いスーツケースを転がして、雨のバスターミナルへとやってきた。
待合室は暖房が効きすぎて暑かったので、外のベンチに腰掛けてバスを待つ。
手持無沙汰なので、リュックからイヌの写真を取り出して眺めていた。
本来なら連れていくつもりだったが、この先不安定なので、不幸にしてしまうだろう。
愚者が去った朝に家族が見つけて、そのまま向こうの娘になるだろう。

おそらく、愚者がいつものように出かけて行ったと思っているだろうな~
そんなことを考えてたら涙がこぼれた。
妻子が出て行った後もずっと傍にいたびび・・・
もう少しだけこの街で頑張ってみる。
山高帽をいつもより深く被って総合案内所へ行き、乗らない旨を伝えた。
係員 「いろいろ事情があるんでしょう」
そう言って全額返金してくれた。
さっそくタクシーを捕まえて自宅に戻ると、全身を使って出迎えてくれた。
ごめん、びび 出ていくなんて話はウソだったんだ(泣)

崖の一歩手前を歩く愚者と危険を知らせる犬・・・
そして「ジョジョの奇妙な冒険」にも登場する愚者とボストンテリアの組み合わせ。
さすがに休日放浪は難しくなったが、ネタはまだまだある。
そんな「愚者(逆位置)ノ足跡・・・」はまだまだつづく。