おお これは現実には存在しない獣だ。
人々はそれを知らなかったのに 確かにこの獣を
‐‐‐その歩くさまや たたずまい そのうなじを
またその静かなまなざしの光に至るまで‐‐‐愛していたのだ。

なるほどこれは存在していなかった だが
人々がこれを愛したということから生まれてきたのだ。
一頭の純粋な獣が。人々はいつも空間をあけておいた。
するとその澄明な 取って置かれた空間の中で
その獣は軽やかに頭をもたげ もうほとんど

存在する必要もなかった。人々はそれを穀物ではなく
いつも存在の可能性だけで養っていた。
そして可能性がこの獣に力を与え

その額から角が生えたのだ。一本の角が。
そして獣はひとりの少女に白い姿で近寄り‐‐‐
銀の鏡の中と 彼女の中に存在し続けた




ある人は、この獣に霊感を受けたようだ。
そして、またある人は
この獣を可能性の象徴に。


可能性の希求。
それはひどく浅ましいものにも見える。


その美醜を分けるものは何か。

それは「力」ではないか。
欲は本来、美しい。

暴力・時間・隣人
その足に込める力。


たったひとつの願い。
それだけが確かなもの。


なるほど、ユニコーンには獅子の尾がある。

自分にとって、最も困る質問の一つが
「好きな色は?」

これが難しい。

それぞれの色に
それぞれの思い入れがあり、
それぞれに好きでも嫌いでもある。



例えば、「赤」。
赤の最も印象深く、古い記憶は、くじら座o星のミラの色。

脈を打つ様に、明るさを変える老いた巨星。
アンドロメダを贄とするも、ペルセウスに石にされ、海に沈んだ化物。
その頸、もしくは心臓で、終焉に向かいながら、収縮を繰り返す赤。

ガキの時分に読んだ星の本のイメージが、
「赤」には未だにあります。



もちろん時が経つにつれ、色のイメージは増え続けますし、
そればかりか、知る色の数自体も増え続ける。

空や花を、クレヨンの単色で塗れなくなってくる中で、
「好きな色」を絞る事の難しさ。



今日のラッキーカラーは
メタリックシルバーでした。

いい日だったように思います。






好きな色は決められないから、
あなたの好きな色を覚えておこう。

それで充分だ。