ちかちかと
頭の中が明滅する。


どれだけ欲し尽くしたかわからない、
あの全きものを
簡単に手にする者もいる。


明日は少し良くなるはず。
明日が駄目でも、明後日。
それで駄目なら、またいつか。

祈る手も、
歩む足も
それぞれ二つである意味。
それがとてもよく分かる。


ここで終わる為に
始めたのではない。

星を見上げる。
星に手を伸ばす。
星を目指す。

思慕や威信や本能。
様々な理由から
人は空に思いを馳せます。


しかし、ロケットは
そうではない。

ただ、重力のくびきから逃れ
空を目指し、
ただ、真っ直ぐに
星の海を目指すのです。




ボイジャーという
無人の深宇宙探査機があります。

30年以上も前に
未知の外宇宙を目指した機械。

しかし、天皇星や海王星を過ぎたあたりから
その通信が間遠になり始めます。

そして、1990年2月15日。
深宇宙をひたすらに目指していたボイジャーが
暗い宙で一人、後方を振り返ります。


それは、家族写真を撮るためでした。


自らを生み出した、母、地球。
その母を含む、太陽系9つの天体の写真。

二度と帰れぬ母の姿を
我々に知らせた彼は
太陽系を旅立ち、今もまだ遠い宇宙を飛び続けているのです。

いつか完全に彼の声が届かなくなったとしても、
ボイジャーは、どこかにいるかも知れない隣人に
我々の手紙を届けるために
深宇宙を目指し続けます。




この純粋で美しく忠実なロボットに
憧れを感じるのです。


ただ一つのために存在する。


儘ならぬ我が身では
如何に難しいことか。




ボイジャーのように
この声を届けたい。

あなたが、どれだけ素晴らしい存在なのかを。

まだ知らぬ世界が、どれだけ広いかを。