日常の中の遺書Ⅰ | あの日の時間をさがして

あの日の時間をさがして

ライティングヒーラーをめざして。


ふと窓の外に視線を向けると、

空から白いものが、静かに落ちていた。


雪か、、

誰に話しかけるわけでもなく、
音もない部屋の空気が変わるような気がした。


日常とはそんなものの積み重ねだ。


今日はやけに冷える。

あぁ、雪か、、積もるな、

また、納得したようにつぶやく。


ひとはいくつもの孤独と出会い、自分なりに、それを日常に混ぜて、感覚を麻痺させているのかもしれない。


日常は海みたいなものだ。たくさんの孤独もあっという間に薄めてくれるさ。


そんな、くだらない事をぼんやり考えながら、空からの白い落とし物をみている。


私の後ろには、

書き損じの、丸められた白い便箋が、
雪のように積もっていた。