10月2日日経ヴェリタス掲載の「食糧危機の原因と処方箋」という
Canonグローバル戦略研究所山下一仁さんの論文をスルーしかけましたが、
10月12日の日経MJにカゴメと不二精油の「ソイミート」研究、
日本ハムの「培養肉」研究など、食料開発の記事でなぜか引っ掛かり、再読しました。
ウクライナ問題に端を発した、食糧危機。
食糧だけでなく、半導体やエネルギー、素材の自給率強化議論。
喉元を過ぎて、忘れてしまっては、大ごとになりますね。
山下さんの主張はこうです。
小麦や大豆、とうもろこしは、
アメリカ、カナダ、オーストラリアが輸出国であり、日本に対して輸出制限はしない。
輸入国であるインドネシア、トルコなどに買い負けることはないだろう。
という、輸出入先の構造分析が着目点です。
コメは、輸出国であるインド、ベトナムは、貧しい人々も多く、
わずかな不作でも輸出量を大きく制限せざるを得ない。
生産量第1位の中国は、4000万トン生産し、227万トン輸出、290万トン輸入している状態です。
日本の高級米が中国へ輸出され、中国の米が東南アジアへ渡るという構図だそうです。
日本は、3500億円も減反政策に注ぎ込み、生産量を675万トンに抑え、米価を釣り上げている状態。
いざ、色々な食料が輸入制限され、自給を迫られるような事態になった時、
戦後と同じようなカロリー配給のためには、1600万トン必要。
そこで、今の生産量1700万トンを減反せずにそのまま生産し、
現状では、需要が少ないので1000万トン輸出すれば良い。
中国を経由して押し出された米が、東南アジアやアフリカに渡るようになるだけだ。
という理論です。
このインフレに困っている時。米価を下げれば拍手喝采だと思います。
3500億円は、コメの買取価格補償に当てれば良いとの指摘です。
小麦のように、全量政府が買い上げて、
価格変動を平準化させた価格で市場に供給すればいいですね。
SDGs上も瑞穂の国の温暖化防止や中山間地域の鳥獣被害など
カウントできない減反の痛手がたくさんあるので、一理あると思いました。
さて、12日の日経MJ
カゴメが、フジ精油と共同開発した大豆ミート素材「SOVE」は、
1食分30gで15gのタンパク質を補えるらしい。
日本ハムの「培養肉」は、培養液を食品成分に置き換えたところがミソ。
これまでは、鶏、ワシなどの動物の血清を利用していたが、
食品成分に置き換えたことで、
コスト減はもちろん安定供給ができるようになったそうです。
カロリー自給率を、コメだけで補うのではなく、
畜産など国内生産が難しいタンパク質に道を開いたのは、画期的。
中国のカロリー人口爆発、インドも人口が増え、
近代化とともにカロリー摂取も増えてくることが必至です。
タンパク源としてコオロギなどの虫まで食べることを研究している時代です。
ベジタリアン、ビーガン対応だけでなく、食糧の多様性の観点からも嬉しい研究です。
毎日コメは飲んでるんですが、
食糧安保としてのコメを見直し、
タンパク源にもなる大豆の自給にも着目する必要があるようですよ。