企業にとって事業承継は、最も難しい経営判断であり、選択肢も多く、

いろいろな法律や制度の特例・通達を駆使しなければ、

遺留分請求相続税支払いなどで大きなもめごとを抱え、

事業自体が継続できなくなる恐れさえある案件です。

 

「ウチなんか、わしの代で終わってもえぇ」

「自社株なんて大した額ではないじゃろう」

「兄弟仲がえぇケェ、仲良くやってくれるじゃろう」

と思っても、何も準備なく、事業を相続するとなると、

子供にとても大きな課題を残すことになる可能性があります。

 

国としても、9割を占める中小企業が事業承継を機会に廃業する事態を回避し、

円滑に事業が継続できるように

経営承継円滑化法」を制定し、数次の改正を重ねてきました。

 

平成30年度改正の目玉として10年間限定で「特例措置」が設けられました。

一年延長され、来年3月31日までに「特例承継計画」を提出すれば、

税法、民法、会社法の特例を受けることができます。

 

ありがたい延長です。

 

大掴みで概要を述べると、

 

まず、来年3月までに「特例承継計画」を提出し、

2027年末までにすべての自社株式を贈与すると

その時に掛かる贈与税を猶予してあげる。

その代わり、きちんと事業を継続しているか報告してくださいね。

 

という制度です。

 

事業継続の報告がちょっと面倒ですが、

当初5年間は毎年、その後は3年ごとに報告書を提出すると死ぬまで猶予してもらえます。

死ぬと免除です。

後継者の子(孫)には及びません。

 

民法上の特例もあります。

 

後継者が、遺留分権利者全員の合意をとると、

贈与した株式を遺留分侵害請求の対象外にでき、(除外合意)

その後の後継者の貢献により株式価値が上昇した場合でも、上昇分が遺留分侵害請求の対象外になります。(固定合意)

 

あと1年2ヶ月

時間がありませんが、1年の特例期間延長は、命拾いです。

 

事業承継は、経営の総合芸術と言われています。

税対策、相続対策、不動産活用、保険活用、一般社団法人の活用、M&Aなどなど…

子供が大借金して自社株を取得したり、相続税を払わなくても済むように

早めに顧問税理士などと準備を進めておいてくださいね。