島根県邑南町をご存じだろうか。

広島から自動車で1時間30分。大朝町から県境のトンネルを抜けると

なだらかな平原が広がる集落に出会う。

のどかな田園風景だ。

 

「両親が亡くなり、田舎にある空き家をなんとかしたい。」

 

という相談を受けて、現地を見に行った。

 

とても立派な旧家で、父親は、診療所を営んでいた。その先代も医者で、

母屋に併設して父親経営の診療所があり、渡り廊下で先代が営んでいた診療所も残っている。

蔵もある。

 

とても立派な大きなお屋敷で、柱もとても太い。

玄関の襖戸には、一枚板がはめ込まれていて財力も感じさせる旧家だ。

 

「なんとかしたい。」

 

という言葉の裏には、「活かしたい。」という思いがヒシヒシと伝わってくる。

 

邑南木の学校とのご縁をいただいた。

 

田舎には、地域課題となっている空き家が沢山ある。

都会には、特にコロナ禍には、リモートで仕事ができるので

ストレスのない生活で仕事との両立を図りたい。

新鮮な野菜を自分で育て、飲食店を営みたい。

ゲストハウスを営みたい。

など、

田舎の人にとっては、ナーンにもないところと思っている田舎自体に価値があることを知らされる。

 

両者を単に繋げるだけの移住紹介、空家斡旋は、町役場や斡旋サイトなどで行われているが、

ここでは、改修して都会人でもすぐ営業できるようにしたり、

改修者の援護者として難題を解決してくれる。

 

しかも改修費をリフォームする人が負担するのではなく、

手伝う人がリフォームを習いたいとお金を払って、

労力も投入して改修してくれる=習いに来るのだ。

 

この木の学校では、

共通科目と専門科目を履修すれば、民間資格「DIYマイスター」をくれる。

NPO法人住環境デザイン協会認定の資格で「DIYアドバイザー」の上位資格だ。

 

この学校に参加することで、

木材の使い分けの知識や伝統的工具・伝統工具の基本的使い方を学ぶほか、

三和土や土壁、作り付け家具、床の貼り方などの知識を得ることができる。

2日間の実習を通じて仲間もできる。

 

地元にとっては、

課題の空き家がなくなるだけでなく、

新しい居住者ができたり、関係人口が増えるなど地方創生事業になる。

 

このコラムで日本酒の学校や屋根工事の学校の例で社会課題の解決に貢献する取り組みを紹介したが、

お金を払ってまで学びに来るのは初めて。

 

造園の学校、介護の学校など課題を抱えながらお金や人がいない業界では、目から鱗。

 

お金を払って手伝いに来てくれる仕組み。

面白い発想だね。