見田宗介著「現代社会の理論」、「現代社会はどこに向かうのか」を続けて読んだ。
現在の貨幣経済の閉塞感や
よく言われるウェルネス経営
に通じる思考の低層を
哲学的、歴史的、社会学的に考察してあり、
共感しながら一気に読み進んだ。
ロジスティック曲線というS字のグラフ
封建時代の低成長期から、近代に入り一気に急成長したが、
ここに来て停滞期に入ってきたという経済の流れからも首肯できるが、
孤立した森に放たれた動物が初めは少し、ある時から爆発的に繁殖し、
再び淘汰、減速する時期が来るように
さまざまな事象がこのような軌跡を辿っていくらしい。
世界の人口爆発も、先進国から減速し、やがては発展途上国も同じ軌跡を描く。
経済についても、
デザインやマーケティングによって新たな需要をつくり、
域外に移出、輸出し発展してきたが、
やがては停滞の軌跡を辿ることになる。
この時期を「高原社会」と呼び、
新しい価値基準で内側から破らなくてはならないと。
この胚芽自体が新しい世界を作る主体となる。
経済競争の脅迫から解放された人々は、
それぞれの個性と資質と嗜好に応じて、
農業や漁業や建築、製造などのものづくり、
情報・通信や報道、医療・福祉・介護、保育や教育、研究などの仕事を欲望し、
国内外のボランティア活動を楽しむだろう。
引用されている加藤彰彦さんは、
スラムの街に移り住み、生活を分かち合ったり、相談に乗る生活を続けて来られ、
大学で社会福祉の授業も担当されている方だ。
講義の核心は「福祉は衝動である。」ということ。
福祉の仕事というものは、
正義とか、善意とかいう前に
人間の深い欲望であると大学生、若者に語っている。
高原期の人々が解き放たれるべき本質は、
人間という存在の核に充填されている「欲望の相乗性」
すなわち、
人に喜ばれることが人の喜びである。
という欲望の構造だと。
「社会的な生きがいとしての仕事」、
「共存の輪としての仕事」を高原期の楽しみとしたい。