7月18日の中国新聞に 広島駅ビル建て替え時に船越保武作品を廃棄

との見出しとともに「牧歌」と題する彫刻の写真が載った。

 

旧広島駅ビル南口の壁面にあり、ランドマークでもあった高さ1.5mの彫刻で、

横笛を吹く少年と花を持つ少女が対になっていた。

写真を見ればすぐ思い出した。

写真を見れば、「あっ、駅ビルじゃ。」とすぐ結びつく作品だ。

 

そういえば、駅前広場にあった高橋秀の噴水は、まだ健在なのか?

工事フェンスで今は中が見れない状況になっているが…

すでに建物の解体とともに無くなってしまったものを悔やんでも、

担当者を咎めても仕方がないが、

文化を文化と思わない風潮や

問題意識を持たない風潮に落胆を感じる。

 

日本航空が経営破綻した原因も

組織の枠を超えて課題を認識したり、

指摘したりすることがためらわれる風土があった。

 

自分の仕事を淡々とこなすだけで、

その仕事の先にお客様がいること、

会社の責任の一端を担っていること、

社会の公器であることなど

言われることもない組織だった。

 

ヒト・モノ・カネに続く

4つ目の経営資源に「情報」をあげることに異論はないが、

「組織風土」は経営の足元を掬う威力がある経営資源だと思う。

誰かが、「これなんじゃろう」

「ひょっとしたら文化価値があるんじゃあないか。」

「新しい駅ビルに移設したら文化の伝承になるんじゃあないだろうか」

と思わなかったのか。

そう思う人が一人もいないほど、効率経済に毒されていたのか。

 

効率主義、営利主義、株主至上主義でカネを追い求めてきた結果、

「文化」も「精神」も失ってしまったとしたらとても寂しい。

 

今からでもいい。

 

「文化」や「精神」のための活動に

企業も従事者も自己実現を感じ、

その活動に顧客が賛同する「応援経済」の輪が回っていかないだろうか。