七夕の和歌 | foo-d 風土

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明日は七夕

 一年に一度の逢瀬

  晴れるといいですね

 

 

 万葉集は奈良時代の7世紀中旬から8世紀後半(西暦650年頃から780年頃の130年間)にわたって詠まれた和歌を780年頃に4500首を選び編纂されたもので、七夕(たなばた)に関連する歌は132首も収めてあります。

 そのほとんどは、男女の恋の物語をイメージして詠まれています。七夕だからとうぜんということもありますが、 百人一首でも100首のうち43首は恋の歌ですから、遥か昔から恋愛は、何はさておき 片想いでも両思いでも、常に心を熱く惑わす悩みの種ですね。

 そして 人は恋すると 皆、アーティストになります。

 七夕は年に一度、七月七日の夜だけしか逢うことの許されない究極の遠距離恋愛。

それはそれは燃え上がることでしょう

万葉集の中から数点選んでみました。

 月日えらひ

  逢ひてしあれば

   別れまく

 惜しかる君は

  明日(あす)さへもがも

 ※「月日えらひ」七月七日という日を選んで。

 ※「明日さへもがも」〈さへ〉添加。〈もがも〉願望。

   一年ぶりにお逢いしたのですもの、お別れするのが惜しゅうございます。明日の宵もまたお逢いできればいいのに。

 天の川

  渡り瀬深み

   船浮けて

  漕ぎ来る君が

   楫(かじ)の音聞こゆ

    天の川の渡し場は瀬が深いので 船浮かべ漕いで近づくあの方の楫の音が聞こえます

 天の原

  振り放け見れば

   天の川

  霧立ちわたる

   君は来ぬらし

 ※「天の原」空の広大な様子。

    大きな空をふり仰ぎ天の川を眺めれば霧が湧いて広がっている あなたが来るに違いない

 天の川

  瀬ごとに幣(ぬさ)

   奉(たてまつ)る

  心は君を

   幸(さき)く来(き)ませと

 ※「幣」神に祈るときに捧げるもの。

    天の川の川の瀬の瀬ごとに幣をさし上げて祈る心はあの人が無事おいでになるように

 天の川

  波は立つとも

   我が舟は

 いざ漕ぎ出でむ

  夜のふけぬ間に

    天の川にどのように 波が立ってもかまわない さあ漕ぎ出そう夜ふけになる前に

 ただ今夜(こよい)

  逢ひたる児らに

   言問(ことど)ひも

  いまだせずして

   さ夜そ明けにける

 ※「児ら」女性を親しんで呼ぶ語。

  たった一晩今夜だけ逢った妻にまだ愛の言葉をかけるひまもなく夜が明けてしまったよ

 天の川

  白波高し

   我(あ)が恋ふる

  君が舟出は

   今しすらしも

 天の川に白波が高い 私が恋しの君がたった今、舟を漕ぎ出したらしい

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牽牛も船出しました

これからさびしく恋しい月日がはじまります

 せつなき恋をするゆゑに

  月かげさむく身にぞ沁む。

 もののあはれを知るゆゑに

  水のひかりぞなげかるる。

 身をうたかたとおもふとも

  うたかたならじわが思ひ。

 げにいやしかるわれながら

  うれひは清し、君ゆゑに。

   (佐藤春夫 水辺月夜の歌)