義理チョコ全盛時代の
嬉しくて切ないバレンタイン
バブル崩壊前 ジュリアナがオープンする頃 世の中庶民も派手でした。
当時 私は、ファッションビルと大型SCで合計150店舗程のチェーンストアのレディスアパレル部門で新ショップを開発運営していました。 仕事で飛び跳ねていましたから、私だけは本社ではなく、羽田にも近く新幹線等も乗りやすい東京港区高輪の泉岳寺駅側に事務所を構え、本社との二重勤務をしていました。
男性バイヤーは私のショップと本部含め30代中心に20代~40中が25名位、それに対しスタッフや店舗のレディス担当は9割以上が女性で、妙齢~半世紀前は妙齢だったような女性で1000名位だったとおもいます。そこに取引先の営業やデザイナーなどの女性も加わってプレゼントをくれます。
ほぼ女性の世界ですし販売部門ですから皆さんアクティブです。
また、女性の世界ですから、普段から店舗でも、どのバイヤーが好きとか良いとか嫌いとかがあり、中には年齢を超えて恋愛感情のこもったものもあります。
彼女たちは自分の実績にもつながるバイヤーの日頃の仕事や行動をよく見ていますし、
また、各店のショップの女性が本部バイヤーに個人的に何かを送る機会などバレンタイン位しかありませんし、チョコレートに手書きのメッセージを添えて出せる貴重な時です。
個人的にメッセージが入れられるので、日頃のお礼や、もっと臨店してほしいとか、恋愛感情があったり、含むところのある女性にとってもいいチャンスです。
モテるバイヤーの所には時々意味深なメッセージも届いたり、売上を競っているショップマスターがいたり、結構際どいメッセージもあったようで、皆さん積極的です。
特に売上をよく作るショップマスターなどは派手でした。個人で送るのとは別に、ショップとしても大きな袋に詰めて作ったりしていました。
それ以上もあったかもしれませんが、あとは個人の世界なのでわかりません。
この様に、本命・お世話になった・もっと頑張れ・お付き合い・義理様々ですが、義理チョコでもバイヤーを選びますし、グループで一つ送る店も結構の数があり、この時代でも義理チョコ等は一切しない女性もいましたから、全員ではありませんが、それぞれ意中のバイヤー名を記入して毎日の定期運送便に乗せます。
バイヤーは商品と人の目利きができなければ儲けることができません。このバイヤーの良し悪しで店舗の売上利益も大きく左右します。
センスのある良い商品を仕入れ利益をよくあげるバイヤーにはこれからもいい商品を入れて欲しいので良い内容のチョコを送りますし、優しく店舗の担当やスタッフに人気のあるバイヤーにも沢山。イケメンにも。
逆にセンスのない商品や売れない商品をよく仕入れたり、厳しすぎたり、女性に嫌われるバイヤーは無視されます。
この頃のバレンタイン催事、田舎のSCでは、モロゾフ、ユーハイム、ゴンチャロフ、メリーなど日本メーカーがメインで、たまにゴディバ。
安いものは中国製のセットなどで200円位から。バラ売りもありチロルチョコの様な1個2、30円のものや中国製の直径3cm位のボンボン等10円の物などを自由に組み合わせても販売していました。
デパートでは国産のメーカーが6割ぐらいで、4割が欧米のもので、味は輸入品の方が美味しいものが多く、小さな袋や箱入りで800円位から3000円、 6~8個入りぐらいで5000円位だったでしょうか。
義理チョコで200円位から上は5000円以上と20倍位の差で様々リボンが掛けられ花やぬいぐるみを付けたものまで様々。これらが目当てのバイヤーに贈られてくるのです。
総数で言うと1000~1200くらいでしょうか
(莫大な数が送られるので、この前日だけは店舗からの定期運送便トラックも増便していました。)
(チョコは朝一番のトラック便で届けられ各バイヤーの机の上にそれぞれ分けますから、このプレゼントの内容と数は全員に見られてしまいます。)
一番人気のあるバイヤーにはチョコレートの内容も良く、花やぬいぐるみもあり100個以上も届き、机の横に空の段ボールを置いてドンドン入れていきます。
全く人気のないバイヤーは、悲惨。
どう見ても冴えない数十円のチョコが数個しか来ません。
店舗担当者なども知っている人ばかりですから、毎年のことなので、どれくらい送られてくるだろうとかは、おおよその予想もしていました。
大して仕事もできないのに上司にばかりゴマをする者や、仲間で競っているバイヤーや、少ないと思うバイヤーは、バレンタインデー近くになると、頻繁に店舗訪問をして女性達にヨイショをして回っていました。
バレンタインのプレゼントはバイヤーのレベルを測る良いデータです。
だから、私の部下や後輩にはいつもバレンタインチョコが沢山来るような中身の伴ったバイヤーになれ!と檄を飛ばしていました。
プレゼントのチョコが少ないバイヤー程、仕事も出来ず人望もない。チョコの少ないバイヤーは再教育か次回入れ替え予備軍です。
中に、いつもプレゼントが1番多く来るバイヤーが一人いました。
すごいイケメンで、すごくマメな男。普段から全国の自分のショップだけでなく、周りのショップの女性達からもすごくモテモテのバイヤーで、臨店の情報が事前に入ると休日を変更して出勤してしまう者もいる位なので、凄い数のチョコレートが送られてきます。
大きな缶入りクッキーやぬいぐるみ、様々なチョコ総計100以上でしょうか。 全体の1割を独り占めです。
マメなイケメンには勝てません。
さて私の話ですが、
バブルの崩壊前 平成に代わった頃 皆、金遣いが派手だった。
私は当時、今で言うとパルコの様なファッションビルと大型SCで合計150店舗程のチェーンストアにいて、私の経営するショップは独自形態で70店舗程で店数は多くないですが、ショップ長以下全員女性にしていました。
売上も利益も各店舗共 皆さん頑張って常にまわりのショップより良い達成で、そのお店でも自信を持って働いていました。皆さんのおかげで私の売上利益は常に一番良かったです。
たまには飛行機で地方店舗回りもしましたが、忙しすぎて店には年に一度位しか行けないのと、まだ携帯のないネット環境もそれほどでもない時代ですから全店舗へは極力ペーパーメールと電話でコミュニケーションだけは取るようにしていました。
(そのため、誰でもわかる平易な文章が大切なので、今でも難しい言葉や専門用語をなるべく使わなくなって文が長くなって皆に長いと言われてしまいます。)
おかげで私が美味しいもの好きだということを皆知っていましたから、バレンタインでなくても偶に地方の美味しいお菓子を送ってくれたりするアットホームなショップでした。
こんな感じでしたから、バレンタインデーでもあまり良くないものは少なく、沢山のチョコやケーキが来ていました。
プレゼントですから値段がわからないので、ちょっと高いチョコだとケーキと同じくらいの値段がして、6個入りで3000〜5000円位しますから、こういうものをもらった時の為にもデパートで知識を持っておかねばなりません。
こうやってもう何十年 名古屋では高島屋、三越、松坂屋や、東京等で毎年バレンタインギフトコーナーをチェックしていました。
さて、当日たくさんのチョコやケーキがどんどん届きます。
ホワイトデーでのお返しに数万円~10万円近い出費の事を考えると憂鬱で、あまり来ない方が良いなと思いながらも、
でも少ないと嫌だなっと
今年は一番になりたいなと
淡い期待を持つ矛盾する思いです。
100箱ほど来て、うれしいのですが、
私も少なくはなかったですが、マメなイケメンにだけは一度も勝つことができず、常に2位。 一度も1位に浮上せずでした。
数は負けても
中身は勝つと
思う気持ちの
痩せ我慢。
しかし、ここから悲劇の始まり。
田舎に住んで都会で働こう、せっかく作るんだったら設計もしようと貯金も全ておろし、建物だけで6500万ほどの家を建てた時で、借金まみれ。
毎月の小遣い3万円位の時でした。
一ヶ月後のホワイトデーでお返しをするのですが少なくとも同じレベルかそれ以上の物をお返ししなければいけません。
そうすると、1000円平均で返すと100×1000=10万円になってしまいます。だから個別に調べて500円組 700円組 1000円、2000円、5000円など、少しでも楽になる様相応な値段のものでお返ししますし、特別な方には食事でもと。やはり10万円近くかかってしまいます。
この為毎年数ヶ月は貧乏生活で大好きなお酒も飲むことができず、チョコレートはご飯代わりにはなってくれません。
お昼は社員食堂のみ、コーヒー抜き。何も出来ません。
何も買えない日々が続きます。
これも人気投票
いただけるうちが華
毎年 我慢の数ヶ月でした。
痩せ我慢
美味しいものは
寒い冬の夜も
暖炉の様に
心を暖めてくれます
素晴らしいプレゼント
ありがとうございました。
遠い思い出です
