直木賞に芥川賞。
こういう賞を獲った本を読むことは、滅多にありません。
でも、今回は植木賞と本屋大賞のW受賞に加えて、
ピアノコンクールが舞台。
ということで、珍しく、買ってみました。
恩田 陸
蜜蜂と遠雷
カバーの絵が、まず、好きでした
さてさて。
ここから、ピアノ弾き的「蜜蜂と遠雷」の愉しみ方、
を、ご紹介させていただきます。
音大出身者が、全員わたしのように読むわけではないと思いますが、
その違いも、また楽し。
ぜひ、別の愉しみ方を、知りたいです
まず、目次。
一次予選から本選までの時系列に、
いくつかのジャンルの曲名で埋め尽くされます。
ふむふむ。
作者の好む音楽の傾向と、
うっすらと、作者の年代も透けて見えてくるな……。
一枚はねると、舞台となるコンクールの課題曲一覧が現れます。
コンクール経験者には、お馴染みの一覧表。
その左側に、一次から本選までの、
制限時間、課題曲の縛りが載っています。
ピアノ弾きなら、まず、ここで、
「自分がこのコンクールを受けるなら」この選曲をする。
と、シュミレーションをするのではないでしょうか。
わたしは、全部プログラムを作りましたよ
一次予選の選曲がけっこう難しかったかな。
制限時間が20分の中に、
・バッハの平均律より任意の一曲
・古典派のピアノソナタから、第一楽章、または第一楽章を含む複数楽章
・ロマン派より任意の一曲
*演奏時間は20分以内とする
……20分以内って、けっこう絞られるな~~~。
弾ける平均律が絞られますよね。
5分がいいところ。
ソナタも、5分でしか決められません。
ロマン派の一曲で、10分計算として……。
なんてやっていたら、あっという間に1時間は過ぎてしまいます
それに、次の日には、また別のプロを考えついて、
変更して、
一次なら一次、
二次なら二次、と、その回別にバランスを見て、
それでいて、先に進んだときに、
自分の良いところが無理なく
&無駄なく
&最大限に
&バランスよく出るか、を
一次から本選まで、全部を通して考える。
なんてやっていると……。
なかなか本編にたどり着きません
まあ、また練り直そう、と、とりあえずの見切りをつけて、
もう1枚めくると……。
あらあ。
登場人物4人分のプログラムが出ているではありませんか
おっとお。
これはくまなく読まなければ、本編には入れませぬ
どれどれ……。
4人しかないということは、
この4人以外はあまりスポットはあたっていないということね。
さて。
じゃあ、4人の中で、誰が主役で、
それぞれがどのような性格で、
どのようなピアノを弾いて、
この小説の中で、どんな役割をしていくのか……。
このプログラムを読むと、きっと分かるはず
……ということで。
本編まで、まったく辿り着いておりません
でも、ここまでが無性に楽しいのは、
やっぱり、「ピアノおたく」だからでしょうか。
みなさんは、この本、
どのように楽しまれましたか
さて。
続きは、またのちほど
まず、本編にたどり着かないと