ピアノの先生をしています。
というと、
じゃあ、毎日、音楽を流してるんですね。
やっぱり、BGМはクラシックですか
と、聞かれます。
あ~~~、ごめんなさい
わたし、日常の中では、ほとんど音楽を聞きません。
音楽自体は、
クラシック
民族音楽
ジャズ
シャンソン
カントリー
ゴスペル
邦楽
グレゴリアチャント
などなど、あまりハードでなければ、大抵のものは好きです
でも、どれも、毎日は聴かないし、
ましてや、BGМに流しっぱなしにする、なんて、
まず、しません。
夫は、皿洗いをするにも、
ちょっとした書き物をするにも、
はてまた寝るときにも、
BGМで音楽をかけています。
それも、ほぼ、ユーロビート
これ、わたしには、驚愕の世界でした
楽しむとかなら分かるけど、
なんで、寝る時まで
音が鳴ってたら、もう、その音が気になって気になって、
絶対に、寝られません
昔、学生時代に、音大の友達のうちに泊りに行って、
その子が寝しなに、バッハをかけて寝たのですが、
わたし、それが全部終わるまでの1時間、
ず~~~~~~~~っと、頭の中で、一緒にバッハ弾いていました
寝られなかったわ……。
そして、バッハが終わり、
「これでやっと寝られる」
と思った瞬間、
カシャッ……と小さな音がして、
バッハがまた冒頭から流れ始めたときの絶望感……
わたしにとっては、
音楽って「聴く」ものであって、
「聞き流すもの」ではないんです。
ついつい、進行や、つながり、抑揚、
音楽的センス、音程の狂い、
間合い……。
そんなものが気になって気になって、仕方がありません
なので、
運転中の音楽も、なし、なんです
本当は、FMなんてかけておくと、
知らない曲に出会える可能性もあって、とっても勉強になるのですが、
音楽に聞き入るあまり、
何度も事故を起こしそうになったので、きっぱりとやめました。
普段は、家の中も、まったく音楽は流れていません。
車の中でも、音楽は流しません。
本屋さんで、大きな音で音楽の流れているところは、苦手です。
ということで、実は、喫茶店とか、おしゃれカフェは苦手です
ごくごく、小さな音で、音楽が流れているか。
それとも、まったく音楽がなくて。
通りの音とか、
お湯の湧くしゅんしゅん言う音とか、
誰かが、本のページをめくる音とか、
店員さんとの、静かな注文のやりとりとか。
店の外を走っていく自転車の音とか。
雨の降りだした音とか。
風が木の葉をゆらす音とか……。
そんなものだけで、出来上がっているお店があったら、
わたしは、きっと常連になると思うのだけれど