我が家の長男くん。
今年の春から、うまく物事が運ばない。
長男くんは優しい。
仲間のいないクラスメイトのために、自分が誘ってもらったグループから自分が離れる。
離れて、その子と同じグループになる。
でも、それは、
「自分ががまんすれば」、
だという。
それは、違うのではないかと、母は思う。
自分がした我慢は、誰も幸せにはしない。
でも、その気持ちも分かる。
私もそうだった。
自分さえ我慢すれば……。
そう思った。
その結果、私は、自分が幸せにもなれなかったし、人を幸せにすることも出来なかった。
母は、君のいらだちを受け止めるしかない。
投げて来られる、鞄に。
コップに。
君の心の痛みが一緒になって、飛んでくる。
母も悔しい。
もっとわがままになればいいのに、と思う。
君は、まだまだ、わがままでいい年頃なのに……。
そんな子に育ててしまったのは私か?
私がいけなかったのか?
君はいま、ずぶぬれで雨の中に立っている。
自分が引き起こしたのでは、ないと言うけれど……。
それは本当か?
どちらでもいい。
その中で、君は歩いて行くしかないのだから。
君は14歳。
私も母として14歳。
同じ14歳でしかないのに、えらそうに人生を語る資格もない……。
ただただ。
君の未来が明るいものであれ、と、祈ることしかできない。
がんばれ。
負けるな。
自分の人生は、自分で掴むしかない。
自分を幸せにするのは、自分でしかない。
それを分かって欲しい。
どんな雨の中でも、自分が輝くことはできる。
がんばれ。
負けるな。
母は、せめて、美味しいご飯を作ろう。
それぐらいしかできないけれど。
でも。母は思う。
君が生まれてきてくれてよかった。
君の母で良かった。
だから。
君は幸せになれる。
なっていいんだ。