ここ数年何かを始めるときに特に意識するようになったことに「ダウンサイドリスク」があります。
これは2005年から『fonfun』で資本提携や新規事業への投資を積極的に行っていくということを戦略骨子の一つとしたことに起因しています。
ダウンサイドリスクとは、難しい辞書を引くと「損失の不確実性」と書いてあります。
例えば「株のダウンサイドリスク」などと言った場合には「景気」、「為替」、「業績」、「競合企業」、「政局」などが相当します。
そこから発展してダウンサイドリスクは、「うまく行かなかった場合の損失の大きさ」を指して使うことが増えているように思います。
例えばある会社に投資をする場合には、既述の株と同じようなリスクがありますし、事業やプロジェクトに投資する場合にはその事業特性や事業環境に合わせたリスクがあります。
最近も社内で新しい事業への投資を検討するためのプレゼンがあったのですが、「成功すればすごいけど、ダウンサイドリスクはどれぐらいあるのだろうか?」ということを考えていました。
ダウンサイドリスクといっても、その事業への総投資額=ダウンサイドリスクになるとは限りません。
事業計画通りに行かなかった場合には途中でそれ以上の投資を辞めるというジャッジが十分あり得るわけですが、この場合は事業を中止するまでの損失に限定されます。
一方で、例えば総投資を行ってから失敗してしまった場合に、事業の損失だけではなくそれによって会社の信用度を失ってしまい二次災害が出てしまったりというケースもあるでしょうし、その事業のために人材を大量に採用してしまった場合に継続雇用していくためのコストがかかったり、というのがあると思います。
なので、ダウンサイドリスクを想定しておくことは勿論のこと、ダウンサイドリスクを会社としてどこまで持つか(中止するルール)を事前に決めておくことはとても重要なことです。
また、ダウンサイドリスクを明確にすることで、そのリスクをより低減する方法を見出す可能性もあると思います。
プロジェクトを始めるときは、勿論成功することを前提とするのでアップサイドばかりに頭が行きがちですが、少し頭を冷やしてダウンサイドリスクを見極めることも重要です。
私は、もともと良い意味では信念が強く、悪く言うと思い込みがあるところがあるので、昔は成功すること以外はあまり考えなかったのですが、最近は必ず念頭におくようにしています。
新しい事業やプロジェクトを始める前には、ダウンサイドリスクをきちんと想定し、かつリスク低減の手を打ち、プロジェクトが始まったらアップサイドを目指して邁進する・・・というのが理想だと思います。