この1,2ヶ月ほどfomeとhibiでほとんど毎週新しいブランドのローンチやイベントなどで忙しく、hibiでゆっくりと本を読む時間がいつもに比べると少なくなってしまっていたように感じる。一旦、落ち着くであろうこの7月にhibiにて本を普段手に取らない人にも気軽に取って貰えたらなと思う。

現在hibiでは写真集、マガジン、アートブック、デザインやプロダクトに関する本、ファッションに関する本などを取り扱っている。なかなか本を買うことに抵抗があったり、少し躊躇ってしまう気持ちもすごくわかる。けど今は服と同じくらい本も買ってしまう。いつからそうなったのか。fomeに通い始めた時から振り返ってみる。少しばかりお付き合いください。

fomeに通い始めたのは大学2回生の夏だったかな。初めて阪急中津駅で降りてGoogleマップを見ながら行った。隠れ家みたいな所にあるから1人で行くのが怖くて、行き道の細い路地の珈琲人でひと休憩した(笑)。なんとか行き着いて、りんたろう君とユウジ君にスタイリングを組んでもらって全部買ったことを覚えているし、未だに着ている。その後flotsambooksとstudy magazine のトークイベントに誘われて、とりあえず誘われたから行ってみるかと1人で気軽に行った。トークイベントの内容はすごく面白かったがわからないことも多く、イベントの後本の販売があったが頭の中がパンクしていてそそくさと1人で帰った。周りの人についていけてないなと劣等感を感じたことが記憶に鮮明に残っている。



そこから周りの人に追いつきたいと思っているうちに最初は月1程度だったのがどんどん間隔が狭くなり週に2回くらいお金もないのに行っていた(笑)。半年くらい経った冬頃に初めて林央子さんの「わたしと『花椿』」を買った。服を買いに行ったつもりだったが、2000円位だし今日は本を買ってみるかと軽い気持ちで買った。帰りの電車でゆっくり読もうと思い、いざ開いて読み始めるが知らない人が沢山出てきてその人達を調べる時間がめちゃくちゃかかってしまい内容が全然入って来ず難しかったことを覚えている。りんたろう君に「本どうやった?面白かった?」と聞かれ「面白かったです」と言えず、正直に「知らない人ばかりで全然わかりませんでした」と伝えた。「わかりませんでした」と言っても「難しいよな」と寄り添ってどの人を抑えといたらある程度話がわかってくるかなどを教えてもらった。未だにわからないことがあれば聞いているし、このブログを読んでいる人も何かわからないことがあればDMやお店で質問してくれて全然大丈夫です👌(わからないことも多々ありますが…)



1988年から2001年まで、編集者として花椿を作り支えてきた林央子さんによる、文化、編集、交遊の記録です。訪問したクリエイターのアトリエ、ポートレートなど、自身によるスナップも多数掲載し、90年代当時を振り返りながら女性のメディアしての役割を担い、そのアイデンティティについて語った1冊。


「わたしと『花椿』」を購入してから1ヶ月ほど経ち、東京に春休みに旅行に行くタイミングで「あること」を思い出した。それはflotsambooksだった。自分の中であの時すぐに帰ってしまった後悔もあり、半年前の自分にリベンジする思いで行った。東京に着いてすぐに行き、flotsambooksのオーナーの小林さんにおすすめされたkibbo kift というカルト集団のようなコミュニティの当時使っていた道具などをまとめたアートブックを買った。あまりそういった本に触れてこなかったが、わからないなりにも1歩踏み出したという確かな感触があった。


McGuffinのflotsam booksが紹介されている

YouTubeでこの本が紹介されているので

気になる方是非観てください。


その後留学を経て日本に帰ってくるとhibiがオープンしていて、大阪で身近に感じることのなかった本がすごく身近に感じた。留学後「archivist addendam」や「here and there」などを買って、そこから少しずつMark BorthwickはPurpleとかでよく写真を撮っている90年代を代表するようなフォトグラファーなんだなとふんわりではあったが自分の頭の中で理解していけるようになった。そこから林央子さんの本を中心に沢山買って勉強した。そして次第に自分の持ってる服のことはある程度喋れるようになりたいなと感じるようになった。そうすることでスタイリングに深みが出るのではないかと。そこで買ったのがAlgueinのシャツにサンプリングとして使用されているドイツ人のフォトグラファーThomas Ruffの作品集だった。この本を買ったことで90年代頃を主にフォーカスしていた今まで買っていた本と違って、フォトグラファーの作品集などのジャンルも面白いなと思えるようになった。これ以外にも買った本はまだまだあるが長くなりすぎるのでこの辺で。


Thomas Ruffの作品の中で代表作とも言える

ポートレイトシリーズ


本が面白いなと思うのに通い始めてからだと1年以上かかってしまった。もっと早く触れておけたら良かったなーと思うから、大学生になって最近fome/hibiに来てくれているお客さんや本を買うのはハードルが高いと少し感じてしまうお客さんも古着1着買うのを今日はやめて、1回本を今日は買ってみようかなって言うくらいの軽い気持ちで買ってみて欲しい。hibiに置いている本はどれも買って後悔のないかっこいい本ばかりだと思うので。


写真に並べられている本の詳細はhibiの

インスタの投稿からチェックして見てください。


最後に、一般的な本屋さんだと1人で黙々と本を読むことが多いと思うがhibiでは1つ1つ本の説明をするスタイルをとっている。またBLESSやSusan Ciancioloなど取り扱いをしている服と結びつけて解説をすることもあり、「本」・「服」と独立したジャンルとしての境界がなくミックスされているので更に自身に近いものとしてスっと入ってくると思っている。出来る限り自分もわかりやすく説明をして、おもしろそうだなと思える話をするようにしていきたい。

キイ