前回、86年有馬記念の1着馬=ダイナガリバーの同枠に
【牝馬三冠馬=メジロラモーヌ】がいたという話をしました。
今年も不出走ではありますが、
【牝馬三冠馬=リバティアイランド】が誕生しました。
牡馬三冠馬の陰に隠れがちな牝馬三冠馬…
敢えてここの焦点を当てて検証してみるのも
面白いのではないでしょうか?
…という訳で早速見て行きましょう。
【牝馬三冠馬年】
86年 メジロラモーヌ 有馬⑨(2人気)
03年 スティルインラブ エリ女②(1人気)/有馬不出走
10年 アパパネ エリ女③(1人気)/有馬不出走
12年 ジェンティルドンナ JC①(3人気)/有馬不出走
18年 アーモンドアイ JC①(1人気)/有馬不出走
20年 デアリングタクト JC③(3人気)/有馬不出走
23年 リバティアイランド JC②(2人気)/有馬不出走
【該当年/有馬記念1着馬】
86年 ダイナガリバー(牡3) ダービー①/菊花賞②(5人気)
03年 (外)シンボリクリスエス(牡4) 前年有馬①/秋天①/当日1人気
10年 ヴィクトワールピサ(牡3) 皐月賞①(1人気)
12年 ゴールドシップ(牡3) 皐月賞①/菊花賞①(1人気)/当日1人気
18年 ブラストワンピース(牡3) 菊花賞④(1人気)
20年 クロノジェネシス(牝4) 宝塚記念①/秋天③/当日1人気
3歳GⅠ馬か、当日1番人気を得た古馬GⅠ馬が1着しています。
まず3歳馬が1着した年度を考えてみますと、
唯一【牝馬三冠馬】が有馬に出走した86年のみ当年ダービー馬が1着。
それ以外の3歳馬は【皐月賞1着馬】か【菊花賞1人気馬】です。
23年皐月賞馬=ソールオリエンス
23年菊花賞1人気馬=ソールオリエンス
リバティアイランドが不出走の今年は、
86年より10・12・18年型ですので3歳馬の比較では、
ソールオリエンス>タスティエーラ>>>ハーパー(GⅠ未勝利)
という序列になると考えられます。
一方、古馬GⅠ馬ですがイクイノックスが引退したせい
(お陰?)で当年古馬GⅠ馬は、春天馬=ジャスティンパレスのみです。
クリスエスとクロノが【当年GⅠ1着/4歳/秋天馬券対象歴】を
共有しているのに対し、ジャスティンパレスはすべて満たしています。
以上より、
3歳馬が1着ならソールオリエンス、
古馬が1着ならジャスティンパレス、
という結論に至ります。
そして最大の問題は「今年はどちらなの?」という点です。
これもどこを起点にして分類するかで結果が真逆になります。
有馬記念の結果から逆算して考えると、
03・20年/86・10・12・18年になるように分類したいところです。
まずは【ダービー馬=二冠以上か否か】で分類。
二・三冠馬=03・20年(ネオユニ・コントレイル)
一冠馬=86・10・12・18年(ガリバー・フラッシュ・ブリランテ・ワグネリアン)
23年=タスティエーラは後者=3歳馬1着年型に該当。
しかし一冠馬はすべて皐月賞を未連対敗退していますので、
皐月賞2着のタスティエーラは03・20年型と考えられなくもありません。
一方でネオユニ・コントレイルは菊花賞1人気馬です。
2番人気だったタスティエーラはやはり後者かもしれません。
次の分類起点は、秋天馬です。
今年のイクイノックスは秋天連覇馬です。
秋天連覇年=03・20・23年
秋天非連覇年=86・10・12・18年
こちらでは迷うことなく23年は03・20年型です。
いやぁ、本当に難しいですね(^^;
では追加で別視点からも見てみます。
今年の有馬記念は12月24日=クリスマスイブ開催です。
【12月24日有馬記念】
67年 1着カブトシロー(牡5) 秋天①
89年 1着(地)イナリワン(牡5) 春天①
95年 1着マヤノトップガン(牡3) 菊①
00年 1着テイエムオペラオー(牡4) 春天①/秋天①
06年 1着ディープインパクト(牡4) 春天①
17年 1着キタサンブラック(牡4) 春天①
95年以外、すべて当年天皇賞馬が1着しています。
特に春天馬の優勢が目立ちます。
67年は春天馬=スピードシンボリは1番人気ながら3着同枠止まり。
95年は春天馬=ライスシャワーは不在、秋天馬=サクラチトセオーは3着でした。
もう少し詳細を掘り下げてみましょう。
まずは【ファン投票1位馬】です。
【ファン投票1位】
67年 スピードシンボリ(牡4) 前年③/春天①/当日1人気
89年 (地)オグリキャップ(牡4) 前年①/マイルCS①/当日1人気
95年 (外)ヒシアマゾン(牝4) 前年②/JC②/当日1人気
00年 テイエムオペラオー(牡4) 前年③/春天①/宝塚①/秋天①/JC①/当日1人気
06年 ディープインパクト(牡4) 前年②/春天①/宝塚①/JC①/当日1人気
17年 キタサンブラック(牡5) 前年②/春天①/秋天①/当日1人気
23年 イクイノックス(牡4) 前年①/[外]ドバイ①/宝塚①/秋天①/有馬不出走
すごいですね。
すべて前年有馬で馬券対象歴かつ、当日1番人気です。
春天1着が鍵となるなら確勝であると思われる、
67年スピードシンボリはまさかの3着同枠止まり。
ということは自身が勝つためには、
【当年GⅠ複数勝利】が必要だという事が分かります。
一方で該当しなかった67・89年でも天皇賞馬が勝っているということは、
【当年GⅠ未勝利】だった95年以外は、
当年GⅠ馬の中でも天皇賞馬に優先権があると考えられます。
「ただし【ファン投票1位馬が出走していれば】」
…という話ですが。
本当に今年の出走構成は悩ましいというか、いやらしいですね。
今年はファン投票1位馬どころか2位のリバティアイランドも不在。
では【有馬出走馬中ファン投票1位馬】は誰でしょうか?
ファン投票第3位=ジャスティンパレス(牡4)
…なのですね。
しかしジャスティンパレスは当年春天1着のみ…
スピードシンボリに近い馬ですので3着枠向きだと言えます。
…ですが、ジャスティンパレスは秋天2着…
しかも【ゾロ目】の2着馬ですので1着馬とも言える訳です。
同じことはスルーセブンシーズにも言えて、
【ゾロ目の宝塚記念2着馬】なうえに、
【1着馬が引退】しているのなら、
今年の宝塚記念馬は、スルーセブンシーズなのです。
この【1着馬引退により2着馬の1着馬への昇格扱い】は、
昔から番組表理論に親しんできたことがある方でしたら、
耳馴染みのある理論ではないでしょうか。
ということでジャスティンパレスは
イクイノックスの引退によって
【天皇賞秋1着馬】扱いになっていると言えるのです。
イクイノックスが回避ではなく【引退】したこと、
ファン投票2位=リバティアイランドまで回避したこと…
すべてはジャスティンパレスのこの状況…
【(有馬出走馬中)ファン投票1位/天皇賞春+他GⅠ1着馬】
というオペラオー・ディープ・キタサンと同じ状況を
作り出すための布石だったとは考えられないでしょうか。
次回はジャスティンパレスが無理やり持たされた個性…
【天皇賞・春秋連覇(連対)】馬の有馬記念での戦績を見てみたいと思います。
そこがクリア出来ればあとは…
【当日1番人気】
これを所持できるかどうか、が最大のポイントとなります。
…これが一番難しそうなのが頭が痛いところですよね(^^;