今日は僕のクラスメイトに起こった少しスリリングな話。

 

僕達1年生が入学して2ヵ月が経過したころ、事件が起こった。僕達1年生は先輩達程異常者集団感はないが、ヤンキー中学周辺の地域で育っただけあって、多少血気盛んな所はあった。よくクラスメイト全員の自転車のペダルをブロッコリーに刺し変えたり、嫌いな先生の給食のたこ焼きに看護師の母親から借りてきた注射器でタバスコを注入したりと、何かのストレスからか、同級生は様々な奇策を講じていた。しかしそんな悪事にも共通して言える事があった。それは先輩が耳にして、気に食わないと思われる事はしないと言うことだ。そんな判断軸を12歳、13歳にして僕達は持っていた。

 

そして1年2組のクラスメイト だいすけ にもこの判断軸はあった。先輩が怒る事には共通点がある。自分達が我慢してきた事を、後輩がしていることが許せないのだ。だからペダルをブロッコリーに変えても、先生の給食のたこ焼きに味付けをしても怒らない。しかし、だいすけは過ちを犯してしまった。

 

だいすけは、6月7日に眉毛を剃って学校に来たのだ。これは一大事だ。僕たちの中学校では眉毛は15歳からしかいじってはいけない。本当の事だ。お酒が20歳からしか飲めない以上に、僕らにとっては厳格に守られ続けている戒律だった。しかしだいすけはその戒律を破り、恐らく6月6日の夜眉毛を剃ったのだ。

 

上記したよう、だいすけにもやっていい事と悪い事の判断軸はある。ただ如何せん眉毛が濃すぎた為、どうしても剃りたかったのだと本人は後述した。そして、6月7日の昼休み悲劇が起こった。だいすけが眉毛を剃った事実が3年4組B棟一階の、ゆうじ君にばれたのだ。ゆうじ君は3年生の中でも5傑に入ると称される腕力の持ち主で、ただ5傑の中で唯一14歳だった。お分かりだろうか?そう!ゆうじ君はまだ眉毛を剃っていないのだ。

 

しかし未だに解き明かされていない同級生内での謎があるのだ。それはだいすけの髪型と眉毛の関係から来ることだ。だいすけの髪型は今でいうぱっつんヘアで、自分の事を男前だと思っていただいすけを称して、みんなはニギハヤミ=コハクヌシと呼んでいた。(実際顔はマイトガイ似だった)。

 

しかしだいすけは写真の2人とは違い前髪が長く、眉毛が傍からは見えなかったのだ。よってなぜ、眉毛を剃った事がゆうじ君にバレたのか、それだけが未だに謎なのである。そして昼休み、ゆうじ君は僕達三階から見下ろせる所でたむろしていた、(1年生が三階に居る理由は初投稿をご覧ください。)そんなゆうじ君に1人の丁稚奉公(でっちぼうこう)がだいすけの眉毛の事を耳打ちしたのだ。その瞬間、1年2組に視線が飛んだ。1年2組に居た僕は、まるでゴン=フリークスとキルア=ゾルディックが、幻影旅団ノブナガ=ハザマに尾行がバレた時のような感覚に陥った。(HUNTER×HUNTER10巻参照)

 

そして、すぐさま1年2組に上がって来たゆうじ君はこう叫んだ。「このクラスにだいすけって奴がおるらしいなぁ。面かせや。」と。そしてクラスメイトみんなは練習していたかの用に同タイミングでだいすけに視線を集めた。そして存在がバレただいすけは、僕の人生史上最も他人としてバツが悪そうな顔をしてゆうじくんのもとへ寄った。

 

ただこの時点で、再度認識を一致させておきたい事がある。まだ誰もだいすけの眉毛が剃られている所を見た者はいないのだ。僕を含めたクラスメイトに関しては、前髪の長いだいすけがこの時点で眉毛を剃るといった愚行を犯したことすら知らなかったのだ。僕はゆうじ君が次の言葉を発するまで、マイトガイに似ているのにニギハヤミ=コハクヌシと呼ばれている事に対し、ゆうじ君は気に食わないのだと思っていた。

 

そしてゆうじ君はこう言った。「お前、眉毛そったらしいやないか。覚悟できとんやろな?」

 

この言葉を聞き、皆は耳を疑った。そしてこれが本当なら、大変なことになると誰もが肝を冷やした。僕達は普段は見えずとも印象強いだいすけの眉毛をイメージし、それが細くなった絵を想像した。

 

 

(イメージ)

 

 

そしてそゆうじ君は一通り自分が今も眉毛を剃らずに我慢している旨や想いを発した後、左手でだいすけの胸ぐらを掴み右手を振り上げた。その瞬間皆は、「終わった。。。」と言葉を漏らした。あるクラスメイトは当時、あの瞬間だいすけとの想い出が走馬灯のように脳内を駆け巡ったとモバゲーに記している。そしてゆうじ君は振り上げた右手で、だいすけの前髪をかき上げた。

 

ドンッ

(イメージ)

 

 

皆が思っていた細い眉毛はそこに無く、ただ両サイドが短くなっている眉毛がそこにはあった。

 

こんな奇をてらったような事態を誰が想像しただろうか。一番困惑していたのはゆうじ君だった。そして時間にして3秒程度の沈黙の末、ゆうじ君は「あるやないか!!!」と、だいすけを一発しばき帰っていったのだ。6月7日だいすけは、眉毛は両サイドなら剃っても良いという事を僕達の中学に証明した伝説の男となった。

 

10年経った今日も、だいすけはニギハヤミ=コハクヌシと呼ばれている。