窓辺でくつろぐ猫。柔らかな光に包まれたその写真は、静止画のままでも雰囲気を伝えてくれます。そこにゆっくりとしたまばたきを一度加えるだけで、何気ない瞬間が少し違って見えるかもしれません。
写真から動画をつくるなら、まずは一つの小さな動きに絞ってみましょう。元の写真の魅力を引き立てる動きかどうかを、生成結果を見ながら確かめていきます。
今回は、Everygen AIのEverygen Studioを使い、写真に自然な動きを加える流れを紹介します。下の猫の写真は解説用にAIで作成した素材で、絵コンテは目指す動きを示したものです。実際に自分の写真から動画をつくる際は、生成結果をあらためて確認してください。
この記事のためにAIで作成した素材例。顔や耳が見やすく、柔らかい横からの光があるため、加えたい動きを説明しやすい構図です。
写真の中で無理なくできる動きを選ぶ
プロンプトを書く前に、写真を見ながら動きを考えてみます。はっきり写っている部分はどこでしょうか。今の構図を大きく変えずにできる動作を探すと、最初の案を決めやすくなります。
この猫なら、まばたきがよい出発点です。窓辺から飛び降りる動作を指定すると、モデルは脚の動きや変化する影、写真に写っていない室内の様子まで補う必要があります。
ほかの被写体でも考え方は同じです。人物写真ならわずかな表情の変化、風景なら葉がそっと揺れる動きが合うかもしれません。まずは、見たときに動きが分かり、仕上がりも判断しやすいものを選びます。
縦型動画にするなら、生成前に構図を整えておきましょう。大切な部分を画面内に収め、その周囲にも少し余白を残します。元の写真で耳が切れていれば、その耳の形を示す明確な手がかりが足りなくなります。
プロンプトには動きと保ちたい細部を書く
プロンプトでは、被写体の動作、カメラの動き、変えたくない細部を簡潔に伝えます。窓辺の猫なら、次のような指示を出発点にできます。
アップロードした写真を開始フレームとして使用してください。猫は窓辺に座ったまま、ゆっくり一度まばたきをします。耳がごくわずかに自然に動きます。顔、毛の模様、体の比率、室内の様子を元の写真と一致させてください。窓から差し込む柔らかな光は一定に保ちます。カメラは固定し、一つの連続したショットで、控えめで自然な動きにしてください。場面を切り替えず、文字を追加しないでください。
猫の見た目は写真を手がかりにし、プロンプトでその後の動作を伝える、と考えると整理しやすくなります。最初はカメラを固定しておくと、被写体の動きに注目して結果を確認できます。
左から右へ、目指す動きを示しています。AIで作成した絵コンテであり、Everygenで生成した動画から切り出したフレームではありません。
細部を保つように書くのは、あくまで希望する結果を伝えるためです。実際の動画でその細部が維持されているかは、生成後に確認する必要があります。
最初は短い動画で試してみる
Everygen Studioの実際の画面。左側にImage to Video、モデル選択、画像アップロードの設定があります。複数のモデルを選べる構成で、このスクリーンショットではSeedance 2.5が表示されています。本文の操作例ではSeedance 2.0 Fastを使います。Sample欄はサイトのデモ映像で、この記事の猫の画像から生成した動画ではありません。
Everygen Studioは複数の動画モデルに対応しているため、予算やつくりたい場面に合わせて選べます。小さな動きを費用を抑えて試したいなら、Seedance 2.0 Fastも選択肢の一つです。Image to Videoに切り替えてFastを選び、Start / End Framesで写真をStart Frameにアップロードします。今回は1枚の写真を使う練習なので、終了フレームは空欄のままで構いません。モデルを変更したら、アップロード条件や選べる設定も確認し直してください。
スマートフォンで見る場面を想定するなら、9:16の構図から始めるとよいでしょう。長さは、選んだモデルが対応する短めの設定にします。このまばたきなら、例えば5秒程度から試せます。最初から長い展開を用意する必要はありません。
残りの設定を確認し、生成前に現在の見積もりを確認します。費用はモデルや設定によって変わるため、以前の生成時と同じとは限りません。
処理が終わったら、Outputで自分の生成結果を開きます。Sampleタブにあるのは、ワークスペースのデモ映像です。
まずは一度、通して見る
最初は通常の速度で再生してみましょう。まばたきは落ち着いた動きに見えるでしょうか。猫はくつろいだ雰囲気のままでしょうか。その後、冒頭、中間、終わり付近で一時停止し、顔、毛の模様、前足、背景を確認します。
顔つきが変わるなら、動作をもっとシンプルにします。部屋の形や位置がずれるなら、カメラを固定し、背景がよりすっきりした写真を使うことも考えます。動きが分かりにくい場合は、別の動作を追加する前に、まばたきの指示を明確にしてみてください。
次の試作では、変更する要素を一つだけにしてみてください。写真、モデル、設定をそろえておけば、プロンプトを直した効果を比較しやすくなります。生成前には毎回最新の見積もりを確認し、それまでの結果も見比べられるように残しておきます。
フィードで見やすい短い動画に仕上げる
現在のダウンロード条件を確認して使える動画を保存したら、普段使っている編集ソフトに読み込みます。不安定なフレームを取り除きつつ、初めて見る人にも動きが伝わる長さを残しましょう。
短いテロップを添えると、場面にちょっとした意味を持たせられます。この猫なら「あと5分だけ」が合いそうです。文字が顔に重ならないようにし、投稿先アプリの画面表示とも重ならないか確認します。音楽や効果音も、場面に合うものをこの段階で加えられます。
Everygen Studioでつくるのは動画素材です。テロップの追加、素材のつなぎ合わせ、公開は、その後の編集・投稿作業で行います。
まずは鮮明な写真を1枚選び、加えたい動きを一つ決めて、Everygen Studioで試してみましょう。目指したいのは、自然に動いていて、もう一度見たくなるような短いひとときです。


