朝9時半から赤羽にてテレビ東京の空手特番のロケ。
吉井宇希が全日本王者最有力候補に突撃取材を敢行!的なロケである。
今日は元世界王者の鈴木国博選手の道場。
これまで弊社は、この特番を4回担当しているのだが
小生が選手の取材に付き合うのは初めてである。
この番組ではディレクターが取材ロケをしたVTRの構成をチェックして
大会当日は実況席で中継車ディレクターのTと話しながら
特番の構成を考える…みたいな役割だった。
吉井をこの特番のナビゲーターとして出演させる事にしたので
吉井の選手取材に同行している。
女優なのにインタビュアーとしてロケをさせる事、
実はあまり仕事とリンクしない。
本人が「なんでも勉強!」というアグレッシブなタイプだから
非常にありがたい。
語弊があるが…
小生は今回のこの仕事を上手くこなして欲しいとは思っていない。
実は今回、取材に伺う空手家の3人はそれぞれ
日本一、世界一になった方ばかりである。
日本一、世界一と仕事とは言え
実際に対峙し、練習を拝見し、お話を伺い、
自分の思った事をぶつけられるチャンスなんて
滅多にあるもんではありません。
その人物、努力する姿、信念、思想…なんでもいい
見て感じてもらえればそれでいいのです。
芝居と格闘技…通ずるものはゼロかもしれない。
しかし、根本は人のやる事である。
少なくとも…小生は今日のロケでいくつか学んだ。
同じ空手のチャンピオンでも、それぞれ試合前
優勝への道を辿る入口が違う。
面白いほど違う。
共通するのはそれぞれが日本で一番、世界で一番強いという称号を得た事。
ただ、称号そのものがアウトプットなのではなく
先にあった出口が別なのではないか…と感じた。
練習方法もアプローチも思想もオモシロイ程、全く違う。
格闘技というとサンドバッグを蹴り、殴り、練習相手とスパーリング…
フィジカル的なトレーニング…皆、似ていると勘違いしがちだが
世界の頂きを見た後なのに、新しい事を取り入れようとする姿勢、
新しい入口を模索する姿勢…
その入り口から入ったらどこに出るのかを苦しみながら楽しむ姿勢…
それぞれがまったく違う。
そして皆、謙虚だ。
そして優しい。
かつての世界王者だった鈴木選手に昨年から新しいトレーナーが付いていた。
そのトレーナーはK-1ミドル級のアンディー・サワーを
WORLDMAX王者にした男だった。
その男は再び鈴木選手が世界一を獲る為に必要な事として
「応援してくれる人を増やす事です」と語った。
結局、自分の為だけにやる人、俺が俺が…という人は一度王者になったとしても
絶対にダメになる。
その思想、人柄、スタイル…を磨けば自然に応援したいという人は増える。
応援してくれる人が増えれば、ここ一番という時に絶対に諦められない。
自分の空手を見てもらいたい、表現して、勝って…
ああなりたいと思ってもらえるような人物になれば
再び世界が獲れる…という事だった。
強くなるには…
応援してもらえるような人になる事。
面白い考え方だ。
その究極の姿とは…
「赤ん坊」なのだとも言った。
皆を幸せな気分にして、赤ん坊を怒鳴る人もいない
笑っただけで「笑った笑った…」となる。
誰もが「元気で大きくなれよ」と応援する。
赤ん坊は何もしないのに…
これが人の究極の姿だ…との事だった。
朝、珍しく早起きしてロケに行って
深夜までDOORSの会議をやって疲れたので…
ボク、眠いでちゅ。
これは最悪のテレビ屋のふざけた姿だ(笑)
では寝るでちゅ。