西條奈加さんの「はむ・はたる」を読む。
この作家さんの描く人物たちには、血が通い、
ページの上で、生き生きと走り回り、泣き笑い、
そのうち、ページを飛び出し、ワタシに微笑みかけてくる。
少々苦い場面もあるが、それでも、最後は、納得のゆく結末を用意してくれる。
だから、安心して、手に取れる。
この作品でも、子どもたちの、何と、生き生きとしていることか。
貧しくて、過酷な運命を背負わされていても、
毎日を、生きて、生きている。
もちろん、この作品では、心ある大人たちが、
周囲で、彼らを支えている。
彼らに、読み書きや、行儀作法を教え込もうとする長谷部の婆様、
その息子の柾などが、子どもたちを見守る。
芯から腐った悪人は出てこない。
読んだ後、あぁ、掛け値なしに面白かったと、
満足する作品である。
表題の「はむ・はたる」は、最後の章で、
その意味がわかる。
ところで、この作品は、「烏金」の続編だとか。
後で、知った。
「烏金」、読まなきゃ。