諸田玲子さんの「恋ほおずき」を読む。
「中條流」、いわゆる女の堕胎医を描いた物語。
やむにやまれぬ事情で、子を水にしなければならない、
そんなわけを抱えた女たちを救いたい、
それが、主人公、江与が闇医者を続けていく理由。
過去に自身が負った傷もあり、
芯の通った生き様がまぶしい。
もちろん、ためらいや、煩悶を抱かず続けているわけではない。
一人ひとりの事情を前にして、どうしたらよいのかを
全身で考え抜く。
重く苦しいテーマだが、
父親である医師の六左衛門、岡っ引きの梅蔵など、
登場人物は誰しもが、優しく、あたたかだ。
それによって救われ、必ず、希望の光が見えてくる。
そして、同心である清之助との恋。
その行方が気になるのだが、続編は…?