「とりどりみどり」を読む。
この作品は、江戸でも三指に入る万両店、廻船問屋の飛鷹屋が舞台。
毎日、買い物、芝居見物と、遊びに明け暮れる三姉妹と、
彼女らに振り回される、末弟の鷺之介が繰り広げる騒動がメインだ。
どちらかというと、市井に普通に暮らす人々の何気ない暮らしを描いた
作品が多いという感じだが、今回は少々、異色(とまではいかないが)か。
自己中で我の強い三姉妹、お瀬己、お日和、お喜路の言動に閉口しながらも、
結局、間違ったことはしていないんじゃないか、という想いが湧いてくる。
長兄、鵜之介の優しさは、読む者を安心させてくれるし、
長姉お瀬己の実母であるお重も魅力的だ。
ま、どんな舞台設定であろうと、この作家さんが描く人物たちの魅力は、
いつもの通り。
四姉弟の母親は別々で、鷺之介の出生にまつわる話もあり、
家族の絆とか、想いとか。
一つの屋根の下で、同じご飯を食べて、楽しく暮らせていれば、
何でもどうにでもなるか、なんて、思ってしまう。