九十九字ふしぎ屋商い中」を読む。

 

あやかしもののシリーズ。
実は、三作目のこれが初読みだが、すんなり、
シリーズにとけ込めた。

この世のものではないモノが見えるるいの、
さまざまなあやかしとの交流の物語。

ぬりかべとなった父親や、九十九字屋主人、
冬吾、そしてナツといった登場人物が醸し出す
あたたかさ、るいの素直さが、物語全体の雰囲気を
作っている。

大切な人を亡くした家に現れる影。

その人の霊かと思いきや…。

大切な人を亡くすことは、本当に悲しいこと。
だが、その人は、そこにいる、そう思うだけで、
その悲しみは、少しだけでも薄くなる、
喪失感ではなく、その人の温かみを思い出すことで、
その雰囲気に包まれる気がする。

そうやって、生きていけたら…。