御薬園同心 水上草介」を読む。
「御薬園」シリーズもいよいよ完結。
物語は、蘭学を目の敵にする鳥居耀三が御薬園に
顔を出すようになり、不穏な空気が充満し始める。
それでも、草介は平常心で日々の勤めをこなしていく。
相変わらず、御薬園の薬草に関しては、
右に出る者はいない草介なのだが、
河島には「…どこにどんな花が咲き、いつ実がなるか、
ほぼ熟知しているのに、まことにどこか残念」と
言われてしまう。
それでも、病や患者に向き合う姿勢は真摯であり、
あたたかい。
ただただ、人の心模様の機微にうといだけ。
どうして、こんなにも朴念仁なのだろうか。
言葉に迷うかと思うといらぬことを口にし、
千歳の眉を吊り上げる。
朴念仁に利く薬草はないものだろうか。
だが、そんな草介も、紀州への出立が早まることになり…。
