「恩送り 泥濘の十手」を読む。
十六歳のおまき、幼馴染の亀吉と目の不自由な要との
三人の結びつき、この三人を見守る大人たちのあたたかさ、
運命に立ち向かう子どもたちの強さ、どちらも味わえる
極上の物語である。
捨て子だったおまきを拾って育ててくれた父親は、
十手持ちで、付け火騒ぎの探索中に姿を消した。
おまきは、自分が捨て子であること、そして
丙午の生まれであることで、不幸をもたらしていると、
心を痛めながらも、「親分」と慕ってくれる二人の
力を借りながら、父親の跡を追う。
「恩送り」とは、恩を受けた人に返すのではなく、
他の人におくることをいう。
恩返しは、なかなか難しいが、恩送りなら、できそうな
気がする…。
