その尻ぬぐいをするのは。諸田玲子さんの「きりきり舞い」を読む。
稀代の戯作者、十返舎一九の娘、舞の、奇人に囲まれて
大騒ぎをする奮闘を描く。
舞の周りには、奇人ばかり。
父親を筆頭に、北斎、その娘のお栄、
父親の弟子の今井尚武、皆が皆、自己中で、
何かしらの騒ぎを巻き起こす。
ま、才能ある物書きや絵描きは、常人とは違っているのが当たり前、
というのが定説だが。
騒動に巻き込まれ、きりきり舞いをするのが舞。
巻き込まれるというか、自ら飛び込んでいく舞もまた、
一種の奇人だと思うのだが。
もう、いい加減、奇人たちのことは放っておけばいいのに、
と思いながら読んでいるが、奇人ばりの人の好さは、
きっと生来のもので、さすが、一九の娘、というところなのだろう。
何事にもとらわれない自由闊達さがありながら、
人と人の情のやり取りからは逸脱しない。
だからこそ、楽しんで読めるのだろう。