「心淋し川(うらさびしがわ)」を読む。
六つのお話が収められている。
よどんで動かない、流れの無い川、通称「心淋し川」。
その川沿いに、腐れかかったような長屋が幾つか立つだけの町、
「心町(うらまち)」がある。
一つひとつの話に、その淀んだ空気の中で暮らす人々の想い、
生き様が描かれる。
それは、この芥箱のような町を表すよう、あたたかなものではない。
一話一話の結末には、主人公が、この先どうなっていくのだろう、と思わせる
余韻めいたものが残る。
その余韻は、明るいものなのか、暗いものなのか、
読むワタシたちが選んでいくものなのかもしれない。
ただ、最終話で、差配である茂十の正体が描かれ、
何とも切ない想いと、
それぞれの主人公のその後の様子が語られ、ほっとするような想いと、
さらに余韻は重さを増した。