「風を繍う」の続編。
前作ですったもんだあった後の続編なので、
やっぱり、第一作目から読んだほうが、
すんなり、作品に入り込めるだろう。
読み進めるのが心地よい、リズム、あるいはメロディーが、
行間からこぼれてくる作品がある。
文体が心地よい、そんなステキな思いをさせてくれる
作家さんに出会うことは幸せだ。
この作家さんも、その一人。
ただ、作品によって、雰囲気がかなり異なる。
「風を結う 針と剣 縫箔屋事件帖」を読む。
時代小説でも、「弥勒」、「おいち」、
「闇医者おゑん」など多くのシリーズを抱えているが、
どれも、文体の雰囲気がガラッと違うのだ。
明るさを徹底的に排除した「弥勒」とは異なり、
「おいち」もこれも、若い女子が主人公だからなのか、
比較的、明るく、柔らかだ。
縫箔屋の娘ながら、剣術に身をささげるおちえと、
武士を捨て、職人の道を選んだ一居の、
それぞれが悩みながら成長していく物語。
昔から馴染みの医者、宗徳が毒死する。
死の前に、彼は、一の顔を見て血相を変えていた。
その意味は、彼の死は自死か殺人なのか。
岡っ引きの仙五朗を助け、おちえと一は謎を解いていく。
事件帖や捕物帖は、どうしても、下手人を明らかにし、
捕縛することが主ではあるが、
縫箔という、せっかく、ちょっと変わった設定なのだから、
もっと、物語に絡めてほしかったのだが…。