市兵衛」を読む。
人気シリーズである。
渡りの算盤侍として、さまざまな所に雇われ、
その都度、風のような剣さばきと、諸方で身につけた
商業、経済の知識で、謎を解き、悪い奴らをバッタバッタとなぎ倒す。
いやぁ、胸がスッキリする展開は、時代小説ならではだ。
兄の信正と、その配下の弥陀ノ介、そして、渋井や宗秀との交流も、
穏やかで、あたたかくて、嬉しい。
息子、作之助の不審な死の真相を知ろうと、
孫娘の節を伴い、江戸へ出てきた老剣士、中江半十郎の、
所作、心情、そして生き様が胸を打つ。
作之助が命をかけて持ち出した帳簿から、
事の裏側を解き明かしていく過程は、
複雑で、知識もないため、分かりにくかったが、
最後、中江と彼を支える市兵衛が、数十人の敵を相手にして戦う場面は圧巻。
読みながら、どうぞ、どうぞ、
中江が無事に節のもとに戻り、
二人で国元へ帰っていく姿が、見られますようにと、祈らずにはいられなかった。