3月に入り、少しずつ春めいてきましたね。
三寒四温のこの時期、本格的な春の到来が待ち遠しい毎日です。
さて、最近巷でよく耳にする「マインドフルネス」。会社のメンタルヘルス研修などに取り入れているところもあるそうなので、これをお読みになっている皆さんも、詳しくは知らなくても言葉だけは聞いたことがあるという人は多いのではないでしょうか。マインドフルネスとは、J. カバットジンが仏教の瞑想やヨガをもとに、ストレス低減法として創始した心理療法ですが、その考え方はフォーカシングに通ずるところもとても多いので、その共通性や違いについて書いてみようと思います。
カバットジンはマインドフルネスを「今ここでの経験に評価や判断を加えることなく、能動的に注意を向けること」と定義しています。逆に、マインドレスな状態とは、「どうせ~だ」「~に違いない」などと自分の思い込みや過去の失敗、未来への心配などにとらわれて、今ここでの自分の思考・感情・身体感覚・行動などをありのままに客観的に見ることができていない状態です。私たちの日常を振り返ってみると、こうしたマインドレスな状態でいることが実はとても多いのではないでしょうか?そして、多くのストレスは、このマインドレスな状態の中で増幅され、現実に起こっていること以上に私たちを苦しめてしまうのです。ですから、常にマインドフルに経験をありのままにとらえることができていればストレスは大幅に軽減されるということで、マインドフルネス瞑想を取り入れた心理療法が今では数多く開発されています。
マインドフルネスを身につけるには様々な練習法がありますが、代表的なものとしては呼吸に注意を向けながら行う瞑想法でしょうか。静かに座って自分の体を出入りする息の流れや、それに伴う胸やおなかの動きに注意を向けます。途中で様々な考えが浮かんできても、それを考えないようにするのではなく、「こう考えているね」と優しく受けとめ、やがてそれらが流れていくのに任せます。瞑想というと「無の境地」と考えがちですが、そうではなく、心や体で次々と感じられるものすべてにいっとき優しく注意を向け、あるがままに任せるのです。
「感じられるもの全てを優しく受けとめる」というあり方は、まさにフォーカシング的な態度でもあります。フォーカシングもまた、今ここで感じられるものは何であれ、評価することなくありのままに、優しく受けとめるのです。ですから、根本的な態度というところでは、マインドフルネスもフォーカシングも共通しているといえるでしょう。
では違うところはというと、マインドフルネスでは今の自分と周囲で起きていることに注意を向け、気づくということをしますが、フォーカシングでは自分の抱えている問題や状況についてのからだの感じ(フェルトセンス)に注意の焦点を合わせるところです。ここでいう「からだ」とは自分の内側で感じられる体も心も混然一体となった感覚のことで、「○○のことを考えると胸がもやもやする」とか「肩がずっしり重くなる」などの感じのことです。そのため、あえて「からだ」とひらがなで書きます。
マインドフルネスでは、思考や感情・感覚が浮かんでは消えるに任せ今の瞬間に居続けることで,、感情や思い込みに振り回されずにいられるようになるという効果が得られます。一方、フォーカシングでは、フェルトセンスをじっくり感じることで、本当の自分を知り、それによって、新しく前向きな気づきが生み出されるという効果があるのです。
こうしてみると、日常的な感情のコントロールにはマインドフルネスが、何か気がかりな問題にじっくり取り組みたいときにはフォーカシングが向いているかもしれません。いずれにしても、共通点も多い方法ですから、それぞれのいいところを取り入れながら、より心豊かな毎日を送れるといいですね。
次回のフォーカシングを楽しむ会は、3月17日(土)神田で開催します。
お申込みはこちらから→ https://goo.gl/forms/P6uKhvf0UQUGooXb2
