今年の梅雨は雨が少なくて、過ごしやすいとも言えますが、水不足で既にあちらこちらで困った問題も起きているようです。うっとおしい雨も、やはりないと困るものですね。こんにちは、世話人の鈴木です。

 

さて、私がカウンセリングをしている中で、時々こうおっしゃる方に出会います。「こんなこと、感じてはいけないと思うのですけど‥」「こんなふうに感じるなんて、間違っているでしょうか?」そんなとき、私はよくこう答えます。「ダメと言われたところで、感じるのを止めることなんてできませんよね?感じることに、いいも悪いもないですよ」

 

たしかに、いつも明るく楽しい気分でいられたら幸せです。でも、そうはいきませんよね。何かに腹を立てたり、落ち込んだり‥そういうネガティブな感情を抱えてしまうことは誰でも日常的に経験することです。そんなとき、こんなふうに思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?「人に腹を立てるなんていけないことだ。許すべきだ」「こんなことで落ち込むなんて、弱虫だ。もっと強くならなくては」

 

実は、私自身、かつてはよくそんなふうに自分を叱りつけていました。でも、そう思ったところで、感じるものは感じてしまうのです。「感じる」というのは自然に起こってくる心の働きで、コントロールできるものではありません。だからといって感じるままに行動していいという意味ではありません。怒りに任せて相手を罵ったりしてはだめですよね?行動はコントロール可能ですし、社会生活をする上でコントロールする必要があります。

 

では、こういうネガティブな感じを抱えてしまった時には、どうしたらいいのでしょう?フォーカシングでは、感じられたものがなんであれ、否定したり評価したりすることなく、優しく受け止めます。試しに、怒っている自分にこう言ってみましょうか?「あぁ、すっごく腹が立ってるんだねぇ。ひどいことされて、許せないんだね」落ち込んでいる自分には、例えばこんなふうに。「今、とっても落ち込んじゃってるんだねぇ。つらくて、どうにも動けない感じなんだよねぇ」

 

それが、今の自分の感じにぴったりならば、少しほっとする感じが味わえるはずです。

「あぁ、そうか。私はこんなに怒ってるんだな(落ち込んでるんだな)」‥その感じをしっかり受け止めることができると、からだが緩んで、その問題と少し間を置くことができ、やがて前向きになっていくことができるのです。

 

うっとおしい雨も一方では恵みの雨であるように、怒りや悲しみも、それがあるおかげで自分の身を守ったり、人に思いやりを持ったりすることができる大切なものです。悪いものと決めつけずに優しく受け止めて、より豊かな人生を送りたいですね。

そんな、自分を大切にする時間を私たちと共に持ちませんか?

次回のフォーカシングを楽しむ会は7月1日(土)、千代田区外神田で開催します。

お申込み・お問い合わせは focusingfocusing@gmail.com までどうぞ。