イタリアンっていうと日本人のほとんどはピッザ、スパゲッティを思い浮かべるのではないだろうか。
実際、現地のリストランテ(レストラン)ではピッザはほとんどメニューにないのではあるが(これについてはまたの機会に)、イタリアの代表的な食べ物であることは間違いない。
最近でこそナポリピッザなどイタリア本来のものが認知されてきたが、私がお子様の頃はスパゲッティナポリタンと同じく子供向けの喫茶店メニューの定番だったものだ。(もちろんイタリア経由というよりアメリカ経由の食文化であるが)
話はもどって現在ナポリ風ピッザが定着してきた一方で生地がもっちり膨らんでいない、いわゆる薄焼きピッザも人気である。
どちらが美味いかとか、本物などということはどうでもいい(本当は良くないのかもしれないが・・)好みで好きなほうを食べればいいのだから。
しかし、この薄焼きピッザというのが意外に曲者なのだ。
ピッザはざっくり言うとパンの仲間である。調理工程もほとんど同じだ。生地の配合と最終的な焼き方がちがいだけ。
だから、イタリア人は日本人が考える以上に生地にこだわる。というか、生地がすべてなのだ!!
(日本ではなんでもトッピングばかりメインになり勝ちだが・・)
ということでピッザ生地もパン生地同様生き物だ。発酵状態が出来の良し悪しを左右する。
そして、出来の良いものは生地の力によってプクッ~っと膨らむのだ。
(美味しいナポリピッザそのものですね)
だが、薄焼きタイプはあえて、薄く膨らまないようにする必要がある。そのためには普通以上に生地を薄く延ばしたり、発酵の空気を抜いたりしなくてはならない。
ここでインチキの登場だ。
これは自分が実際にある店で遭遇したピッザの裏側。ちなみに巷では人気店で有名人のお気に入り店として紹介されたりもしている。
ピッザ生地はさきほど言ったようにパン同様、生地を捏ね、寝かせて一次発酵後、1つづつポーションしながら二次発酵状態でスタンバイ、オーダーが入ると1つづつ伸ばして焼きに入るというのが大まかな工程。
残れば生地はどんどん膨らみ、ある時点でふにゃんと死んで膨らまなくなってしまう。
だからその生地は当然翌日は使えないため廃棄。ここまでが普通のお店。(だから仕込んでから使うまでの時間や温度を考えていい常態で焼けるよう冷蔵庫や保管場所を工夫したりするのだ。私が最初いたチェーン店でさえしっかり生きた生地を使っていた(当然だが)。
だがこの店では違った・・・
生地を捏ねたあと一次発酵だが、厨房が狭いからなのか、夏場だというのに40度になる倉庫で保存!!!
(生地を寝かすどころか、すぐに膨張して爆発状態に・・もうすでに生地は発酵しすぎてへなった状態に)
さらにポーションせず!!オーダーが入ると直接ボールのなかの生地を必要なだけちぎり取り伸ばし始めるのだ。
当然生地は伸ばすときにはすでに膨らむ力はまったく無くベロ~ンと伸びきっちゃって・・
焼いてもペッタンコ・・
そう! これこそこのお店の言うところの
「うちは薄焼きタイプですから・・」
ただ死んじゃってる生地なのに・・
お客は何も知らずに食べています。
本当は捨てるべき生地なのに・・
お客にばれなかったら、不味くなかったら、だしていいのか??
作る人間のプライド、モラル、知識が欠けてるとやばいが、食べる側も食べてるものにもう少し興味もってもらえたらおかしな物出せなくなるんじゃないかな?