マサチューセッツ工科大学の人工知能の研究で、コンピュータ上で、複数の直方体とそれをつないで動かす「筋肉」で出来た「生物」が、最初二つの直方体がグリグリするだけだったのが、遺伝のアルゴリズムを加えることで、世代を重ねて適者生存で「進化」し実在の生物のような動き~歩いたり泳いだり~をするものが生まれてくる、、、というテレビを見て衝撃をうけた。
まだ、その映像が鮮明に思い出せる。
そんな研究がしたいと漠然と思いつつ、どう親に説明していいか分からなくて「神さまになりたい」という発言となった。
我ながら自分の興味と心境を現す言葉を、よくひねり出したものだと思う。あのモニタ上の「生物」の動きを生み出すアルゴリズムをつくれる人は、その世界では確実に神さまだと思う。
結局その道は挫折するのだけど、挫折する前に芝居に出会ってしまい、挫折感がそんなに残ってない。
はたと気がついた時があって、脚本書いて演出してる自分は、世界をつくってて、あの時の望みは結構叶ってるな、と思った。
完全に自分の思い通りにいくかというと、そうでもないところが、とても似ている。
思い通りにいかないことは、悪いことじゃない。思ってたよりも良くなるかもしれないのだから。
あの「生物」たちが、プログラマのつくったアルゴリズムの世界の中で、独自に発展を遂げたように、俳優さんたちもボクの脚本と演出の世界の中で、どんどん発展してくれる。
創造主寄りの神さま像だ。
さて、「ツキカゲノモリ」は神さまのお芝居でもある。これは、どちらかと言うと八百万の神さま寄りで、曼荼羅的仏さま寄りの神さま像だ。
細かな話はさておき、神さまはいつもソバにいて、励ましてくれている、と思いたい。
死神に厄病神に自殺魂と、役名はものものしいけど、基本的に励ましてくれている。表現が下手だったり空回ったりするだけで。
なにより、もうすっかりアルゴリズムは俳優さんの身体の中に埋め込まれて、世界は独自の発展を見せ始めてる☆ 日々、進化していく感じがたまらないのです!!!
あー、これが楽しくて演出してるんだなぁ。
---------------------------------------------
◼︎満月動物園 第弐拾弐夜
『ツキカゲノモリ』
2014年12月26日(金)~28日(日)
シアトリカル應典院
+++助けてと祈った神さまは、死神だった+++
★特設サイト【ご予約受付中】