記憶は思いがけないところで、何十年も経った後で繋がることがある。
父は輸血血液の管理責任者だった。小さい頃、家族旅行に行った時、旅館に着くとすぐ病院に連絡を入れる。予定の手術用の血液の確認や、非常時の予備などの連絡だ。
子供としてはやっと旅行に来れたのに、仕事の方が大事なのかという気持ちにはなった。もちろん、家族と仕事とどっちが大事かと言うと、人命にかかわるのだから仕事に決まっているので、口に出したことはない。
緊急事態には輸血血液をあちこちから手配する必要がある。
赤十字社の緊急車両で運べる時は良いが、もっと遠くから運ぶ時はヘリを利用するしかない。その手配をしている場面に一度だけ出会ったことがある。
血液を他県からヘリで運び、着陸したところからは緊急車両で運ぶ。一刻を争うことなので、すごいなあと思って記憶に残っている。
大人になって書店に就職した数年後、有名な女優の写真集が出ることがあった。これは書店にとって大事件だ。発売日までにあの手、この手を尽くして入荷数を確保しようと担当者は東奔西走していた。
私は写真集の担当ではないが、その夜、その写真集をヘリで運ぶ夢を見た。
パレットに山積みして、網をかぶせ、ヘリから吊るして書店まで運んでいるのだ。私はミッションが果たせてほっとしながら下から眺めていた。
(代表:橋本 裕子)
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