中学生の子供が屁理屈ばかり言う、と相談があった。
屁理屈、上等じゃないですか。
屁理屈とは、反論のための反論、無理やりああだこうだと自分の意見を通そうというもの。そうであれば、親もきちんと理屈で対応したらいいと思う。
「どうしてそう思うのかな」「私はその点はこう思うけどどうなんだろう」ときちんと話を合わせて討論するとよいと思う。
子供なりの、十分論理性はないにしても何らかの考えがあるのだろうし、もし駄々をこねているだけならそのうちやめると思う。
「意見があるのならちゃんと説明して話して、ちゃんと聞くから」「親にも反論はあるからお互いよく話してみよう」そういうことでお互いの立場を尊重しながら自分の意見を言えるようになる。
私は幼少時から理屈を言うタイプだった。父は私を子ども扱いせず、「その話は分かるけど大人の観点から考えるとこうなる」と議論していた。立場が違えば意見が違うことは子供なりにわかってきた。
しかし母は私を「正論ばかり言う」「矛盾があると問い詰めてくるので怖い」と言っていた。未就学児程度の子供を怖いというのもどうかと思うが、いわゆるぐうの音も出ないという感じだったのだろうか。
そんなだったから母とは話したくなくなった。「あなたの考えていることはわからない」「難しいことばかり言って」と言う。今でいえば完全否定だ。
患者さんの中には、親にこのような完全否定の態度を取られたら、自分の意見を言えなくなって長い人生ずっと悩むことになる人も多い。
自分の意見を言うのはなかなか難しいのだと改めて実感する。
結論がどうなるかは別として、意見を言いながら討論する。子供の時に自由に安心して発言できる環境が必要なのだ。
言うためにはそれなりに考えなければならないし、自分の意見の根拠や参考になる別人の意見なども知っておきたい、だから勉強もする。うまくまとまらなくても自分の意見を言ってみる。話すうちに自分の意見がよりはっきりすることはよくある。
話し方もできるだけ正確さを心掛けるようになる。
うまく話す必要はない。自分の意見をわかりやすくブレずに言う練習が必要だと思う。
心配ない、練習で変わるのだから。
(代表:橋本 裕子)
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