大矢知の手延べめん「金魚印」


幼少の頃より、冷や麦が大好物だった。
信じれられない程、食べまくっていた(^^;;
カレーライスと焼肉、ハンバーグ、餃子が
夏の冷や麦のライバルだった(^^;;;
包装に金魚の絵が描かれた冷や麦が
あって、それが超絶好みであったのだ。
「おお!今日の冷や麦、うめぇ!」
興奮気味に目を見開いて食べる俺に
「そりゃ、今日のは金魚印だもん。」
などと「エエヤツ」だぞというニュアンスを
含めて母親がエバっていたのを思い出す。
ていうか、ツイこの前までソレが何なのか
さっぱり分からなかったのだがトニカク、
「大矢知の金魚印が一番なんだ!」
信じて疑わない人生をおくってきたのだ。

三重県四日市に勤めること6年目。
大矢知という地域がその「金魚印」
ナニガシカの秘密を秘めているという
くらいの知識はあったのでありますが、
イカンセン、飲食できるお店がほぼ無く。。
更に親戚や友人に大矢知を良く知る人物が
皆無であったが為、情報が無かったのだ。

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某製麺屋社長様からお聞きしたことや
ネットで知った情報をまとめてみると。
江戸時代後期のいつの頃だったか。。。
三重県北勢地域では小麦の生産が盛んに
行われており、ここ大矢知には清流
朝明川が流れており、水車小屋による
小麦の製粉が行われていたのだそうだ。
また鈴鹿山脈からの「鈴鹿おろし」という
寒風が吹く環境もあって、素麺作りに
良い条件が揃っていたとのこと。

農家の冬場の閑散期に、副業として
素麺造りが広まっていったのだ。
灘素麺の手延べ技法が導入されて
その美味しさと技術の高さが評価され、
生産高もあがり人気となっていった。
大正の頃には300軒を超えるほど
製造業者が増えたそうだが、
材料の調達や技術力の差違もあって
品質の安定が難しく、評判も落ちて
次第にその勢いは衰え製造業者も
減っていったとのこと。。。


麺を手で延ばして乾燥させるという
工程は深夜の2時から始まるといい
それがゆえ職人は家族で構成される
ことが殆どで、大変な労働だという。
次第に手延から機械式へと移行し、
かの大戦があったり、都市化が進んで
後継者不足という問題もあって、
手延べの製造業者は減少の一途をたどる。
2022年5月現在、この地区で手延べ製法を
行っているのは8社まで減ってしまったとか。

昭和中期の頃より、「手延べ冷や麦」
生産が始まり、通常の冷や麦より少し太く
もっちりとコシのあるという麺が人気となり、
その生産量は全国でも上位にまでなったとか。
品質管理、材料の共同購入などを行うため
組合を作り、その組合毎に出来上がった
素麺や冷や麦が付けられるブランドが
「三重の糸」「金魚印」「扇印」
などというワケなのであった。ココだ。
大矢知手延麺業組合に所属する業者が
「金魚印」ブランドというワケなのだ

2022年5月現在、「金魚印」ブランド
であるのは5社ということらしい。
(2022年1月に1社廃業)
一大勢力である金魚印なのだが、
そのブランドだからといってコウダという
定義があるワケではなさそうで、各社独自の
拘りや味の違いがあるというから、マニアな
私などメロメロなのである。

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して、そうめんである。。。。(^^;;;
冷や麦に関しては散々食らってきた人生。
それに冷や麦、うどん、きしめんは年中生産されて
いるが、そうめんは冬の間の3ヶ月のみ生産され、
6月ともなれば売り切れ終了なのだという。。。
このプレミア感はマニアにはタマラナイところだ。
それに、そもそも「手延べ」ってなんなんだ??
長いことうどんマニアをやってきており「手打ち」
に関しては、ええんすか、まぢっすか、ヤァバッ。
くらいの知識というか、チラ見してきた人生。
YouTubeで調べてみれば、それはそれは
恐るべき複雑怪奇な工程を経て、あんなことや
こんなこと。そんなことまでする手延べ製法(^^;;
これぞ日本の伝統工芸のソレといって紛う事なき
職人ワザなのであったのだ。
(私の文章力ではとても表現出来ません(^^;;;;)
こんなのを知ってしまったからには、
はっ、はぁーとコウベを垂れ、そうめん殿を
嗜まねばならぬというのがオトコノコの道である。
そこで、「金魚印」5社、「扇印」1社、無所属1社。
そうめんをゲットしてきた私はオトコノコ?。

お役所さんの表示基準を引用すると、
『めん線を引き延ばす行為を、手作業により
行ったもの』
と定義されている。
「手延べ」なのだから、まあそうだろう(^^;;
そうめんの定義は、機械で作られたものであれば
太さ1.3mm未満。1.7mm以上をうどん。
その間が冷や麦ということで、我らが(何様?(^^;;
手延べそうめんとなると、1.7mm以下、
ということで、そうめんと冷や麦との太さによる
区別はないのである。。。
農林水産省:乾めん類品質表示基準
現に今回購入した7社のそうめんを測定してみると
(各社5本づつ任意に取り出して
 0.05mmノギスを使用して測定してみた)

平均値は1.0mmということであったのだ。
これ程までに細く出来るモノなのかと
驚くべきことではあ~りませんか(^^;;;;


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と、ここまで恐るべきことに2000文字を越えた。
写真はたったの7枚だ(^^;;;
最後まで読まれた奇特な方がおられるとは
思えないのでありますが、、、。
小2レベルの文章力であるおとっつぁんが、
(小2のみなさん、ごめんなさい(^^;;;;.....)
書いて良い事と悪いことがあるのは分かってますが、
大矢知手延べめんに興味を持ってしまったからには
この夏はまさにソレモンの晩餐が繰り広げられて
いくのだというのは想像に容易い。。。
カミさんがブチ切れないようウマイコトやらねば!
と遠い東の空を見上げるおじさんなのである。
さあ、ここからジワジワと商品の紹介をしていくよ~。

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