メルカリで購入した新改訳第二版の新約聖書詩篇付はアップされた表題の次の頁の写真が「版権所有 ©️The Lockman Foundation 1963,1965,1967」とヨハネ伝、昭和40年版新約聖書、詩篇が刊行された年度が印刷されている版だ。新約聖書詩篇付は「66巻」とコピーライトが違うとは知らなかった。第二版には新約聖書箴言付があるが「版権所有 ©️The Lockman Foundation 1963,1965,1970」?
あとがきには「またこのことに関連して、英国改訳、あるいは米国標準訳の理解を現在に生かすために訳業が進められている新米国標準訳が、私たちの最も良い参考になったことをも明らかにしておきたい。また、この版では、特に詳細な引照をつけたが、それは新米国標準訳のそれを採用したものである」と記されている。「訳業が進められている新米国標準訳」と現在形なので第二版が出た昭和53年以降でも昭和40年版新約聖書のあとがきを使っていたのか。
第二版でも旧新約聖書「66巻」とはあとがきが違うがロックマン財団との裁判闘争に絡んで「聖書翻訳を考える【続】」では「それとの関連で、日本では、新改訳聖書はロックマン財団が出版していたNASB英語訳からの翻訳ではなく、ヘブル語・ギリシャ語原典からの翻訳であること、それゆえ著作権は日本人翻訳者側にあることを確認して欲しいと裁判所に訴えなければならない事態が生じました」と称している。たまたまNASBの「66巻」が新改訳第一版より1年遅い1971年刊行なので財団闘争でのしこりもあって今は関係ない事になっているらしいが、どうだろう?「聖書翻訳を考える【続】」に「裁判が長引く可能性があることと出版社が「©️Lockman1963,1965,1968,1970」という記載が1987年まで続けてきたために時効取得ということもあり得るという主張がされたりしたことなどから」とある。「聖書翻訳を考える【続】」には「新改訳聖書委員会の議長」が「三つのグループ(翻訳者・出版社・財団)の責任ある役割を兼務しているうちに、必ずしも悪意ではなかったのですが、著作権の法的知識に乏しかったために、その方は間違った契約を結んでしまったのです」と押し付けているが「このことが日本人側に明らかになったのは、1994年3月24日、舟喜順一先生が裁判所に証人として立ち、裁判長から、この事実を知らないのかと指摘された時でした」なら、この本は昭和62年に新改訳聖書からロックマン財団のコピーライトを外していると認めているので、この時点までには何かがあったはず。ややこしいのはロックマン財団が刊行している詳訳聖書の新約の翻訳は平成初年まで刊行していた事。
田川建三の「書物としての新約聖書」にある「英訳のNIVにほぼ対応する」では誤解を招くのに食わず嫌いで鵜呑みにした読者が多いようだ。口語訳聖書とRSVとの位置付けで言えば新改訳聖書はNASBとのつながりだろう。1978年に初版が刊行されたNIVではない。何しろ「旧新約聖書の全体をまとめた一巻本は一九七三年に初版が出ている。今出回っているのは第二版である」なので第二版は持っているはずだ。田川建三は海老澤有道の「日本の聖書」の誤記を鵜呑みにしたのか、あとがきを引用しているのに頁をめくって奥付の刊行年度を見るか昭和62年以前に刊行された版を持っているなら表題の次の頁を見なかったのか。自分の本(「聖書の世界」と「聖書外典偽典」も含めて)を紹介しない「門脇文庫 日本語聖書翻訳史」を「下劣な党派心」と罵倒するより、この本を使って新改訳聖書を評価しなかったのか。