新刊本と在庫があった本 | 無駄話。

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鬱病・適応障害持ちが書く与太話です。「下劣な党派心」による「あら探し」が多いので、合わない方はご遠慮願います。

 昨夜は寝付けたのが午前1時頃で眼が覚めたのは午前6時頃だった。5時間ほどしか眠っていないので昼間はウトウトしてしまう。

 e-honで注文した「ケストナーの戦争日記」と大日本絵画のネットショップに在庫があった「Uボート総覧」が同時に届いた。時間指定して同じ業者だったので当然だろうが。

 「ケストナーの戦争日記」を読んでいると「終戦日記1945」(高橋健二訳は「ケストナーの終戦日記」)の該当個所が結構違う。岩波文庫の初刷で高橋健二の訳書にはあるグデーリアンの発言を書いた個所に欠落があると先方に質問した時にヴラーソフ将軍の将校達の記述に続いて「ウクライナ人パルチザンは連隊ごと赤軍の歯牙にかかることになる」は注釈ではウクライナ蜂起軍とあるが日にちが合わないけれどウクライナ師団ではないか?と質問したら「「青い本」にはない」と答えが返ってきた。確かにない。「終戦日記1945」は1961年に刊行されたので前々年の1959年にケストナーが住んでいたミュンヒェンでバンデーラがスタシンスキーに殺されたのでつけ加えたのか?グデーリアンの発言に関しては基本的に同じだ。グデーリアンは宣伝省次官のヴェルナー・ナウマンに依頼されてラジオ放送したと書いているが注には記者会見が新聞に報道されたとある。「終戦日記1945」にある「ガス室といった悪魔のかまどなどの病んだ空想の産物」は「悪魔のかまど、ガス室といった病んだ空想の産物」とある。つまりグデーリアンというより依頼したナウマンでもなく上司のゲッベルスがガス室について自らの口で反論するより陸軍参謀総長が第2戦車軍司令官時代は建設中だったのもあって、こういう記者会見を開いたのだろうか?大木毅の「戦車将軍グデーリアン」は本人が書いているラジオ放送の持つ意味について一言も触れていないのは「ケストナーの終戦日記」を読んでいないから気がつかなかったのだろう。「終戦日記1945」の「カール=ハインツ・シュトックハウゼン少尉」がフェルキッシャー・ベーオバハターに寄稿したとあるが「ケストナーの戦争日記」は「カール=ハインツ・ホルツハウゼン少尉」だ。何故ケストナーは明らかな別人を同じ名前にしても1928年生まれのシュトックハウゼンにしてしまったのだろうか?「終戦日記1945」は肝心なところをぼかすグデーリアンの本とは違うにしろ加筆が多過ぎて取り扱いに注意だ。田中路子がハーリヒのいた組織と関わりがあったという事はKPDの地下組織との関係があるという事になる。「テキストの成立史とこのエディションについて」にある引用文にコンラート・ラッテは「HJの記章をつけ」だが「ペーター・シュナイダーが編纂したコンラート・ラッテの回想」(「せめて一時間だけでも」)では「労働戦線バッジ」だ。

 「Uボート総覧」にウルリヒ・ケスラー将軍が捕虜になってアメリカ大陸に上陸した時の写真が掲載されているのはU234に乗って日本へ向かっていたところを「零時」となったからではなく「兵士というもの」に掲載された写真の時期に彼の部隊が海軍を支援していたからだった。有泉龍之助海軍大佐が自決したのは「戦犯追及を避け」ではなく伊401号でウルシー環礁を攻撃する途中で終戦となったからなのに訳注をつけろよ。有名な話だろうに。