1割引クーポンの使い方 | 無駄話。

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鬱病・適応障害持ちが書く与太話です。「下劣な党派心」による「あら探し」が多いので、合わない方はご遠慮願います。

 

 白水社のメルマガが取りあえず打ち止めになるので1割引のクーポンがついていたが送料がかかるので、ある程度の額以上でないと足が出る。アプルボームのホロドモールの本なら送料込みで百数十円だが安くなったので注文したら発売予定日前なのに届いたので一気に読んだ。デニーキン将軍の白衛軍が反ユダヤ主義者の集団のように書かれているが国内戦当時オデーサにいたポリアコフの「反ユダヤ主義の歴史」はデニーキンの回想録に依拠する形で彼は反ユダヤ主義者ではなくポグロムを批判していたが反ユダヤ主義者達に押し切られたかのように描写されていて義勇軍にはユダヤ人の将校や士官候補生が参加していたとあったので、ここはどうだろう?自身がユダヤ人の子孫と任じていたらしいのにユダヤ人を虐殺する命令を下したエーリヒ・フォン・マンシュタインあたりとは違うらしい。逆にペトリューラは反ユダヤ主義者ではないが彼を殺したユダヤ人はチェキストの手先かもしれないかのように書かれている。結局、国内戦当時は白衛軍や赤軍に限らず、どこの勢力も反ユダヤ主義を共有していたのではないか?マイダン革命後に刊行された本が今、出るのは自明の事だ。

 水谷三公の「ラスキとその仲間」はホロドモールという単語が一般的ではない30年前の本で当時の親ソ派とソ連との蜜月を批判する中で隠れた主題がホロドモールだ。この本には「プロレタリアートの祖国ソ同盟」に入国したのはいいがハリキウの工場に配属されてホロドモールの実態を知って帰国したアメリカ人の手記が紹介されている。有名な本ではないらしいのでアプルボームの本には出て来ないが、いくらソ連が情報を遮断しようと努力しても、ある程度の情報は国外に漏れてしまう。他にも忘れられた本がありそうだ。アプルボームが書いたように30年代のソ連は外国人が行っていいところしか行けないわけではないので「見てはいけない事」を見てしまう人がいるし。ホロドモールが反ソ反共主義者でも理解し難かったというのは第三帝国のユダヤ人政策が例外を除いて文字通り抹殺に至るとは理解出来なかったのと似ている。