以前読んだ事のあるシモーヌ・ペトルマンの「二元論の復権」をネットの検索で見つけたので、売っている古書店に行って買いました。
邦題の副題が「グノーシス主義とマニ教」というだけあって、原著の第1部にあたるプラトン主義については割愛されているそうです。
1947年に学位取得論文として書かれた同書は新約聖書をはじめ、第2次大戦前に発見されたグノーシス主義の文献や「アヴェスター」、マニ教関係の古文書等を引用しながら二元論について書かれています。なので使われている資料は今の水準からすれば随分と古いです。
ある程度知識がないと読みこなせないとは思いますが、訳文が美しいです。原書はフランス語なので、フランス語で読めたら、どんなに美しいのだろうか、と想像します。