恩師・大西昌美先生と畑充さん(平成5年度・46期) |  カベスタ 北の球児たち since2011

 カベスタ 北の球児たち since2011

いつもありがとうございます。
北海道高校野球専門誌「北の球児たち」の
お知らせを中心に更新しますので
よろしくお願いします。

FMアップル 「北海野球部百年物語」 月曜日20時~21時(札幌76.5MHz)

インターネット放送はこちらからお入りください。北の高校野球ファン必聴!FM アップル 「北海野球部百年物語」-百年物語(右本体、手前別冊)



提供:株式会社アインファーマシーズ

長壁明のブログ「北のスポーツ物語」


毎日のように豪雨被害のニュースを見てきましたが、北海道にこの夏最大の豪雨がやってきました。札幌はそれほどでもありませんが、北照高の地元近くの後志管内には大きな被害が出ているようです。


豪雨被害を伝えるニュース映像と「速報!甲子園への道」といった甲子園出場校が続々と決まるニュース映像を見ていると、これが同じ日本なのか、といった錯覚に陥ります。平和であること、安全であることで91回も回数を重ねてきた高校野球ですが、今再びその意義を考えさせられる8月がやってきます。


NHKの番組宣伝ではありませんが、8月7日(土)には「幻の甲子園」(昭和17年の文部省主催の甲子園大会)の特番が予定されているようです。

私も8月9日(月)の「北海野球部百年物語」では戦前、戦時中の北海中野球部OBの方のお話をもとに番組を構成する予定です。一人でも多くの方に平和の大切さ、戦争の愚かさを伝統ある北海野球部の姿と声を通して伝えられたら、と思います。

北の球児、闘いの記録~北海野球部百年物語/長壁 明


¥12,000
Amazon.co.jp

北海野球部百年物語の冒頭130ページです。

電子図書(楡印刷様ご提供)表紙~第3章「北海野球部、いざ全国へ」昭和8年まで

提供:楡印刷株式会社
北海野球部の素晴らしきその伝統、その歴史を引き続き一人でも多くの方に伝えていき、共に新しい時代を見つめていけるよう、引き続きみなさん、よろしくお願いします。


意外にも90年代に入って北海野球部出身者が大学野球で神宮球場(もしくは東京ドーム)の土を踏むことが少ないことをご存知でしたでしょうか。注目度も高校野球に比べて高くない大学野球ですが、北海球児たちは道内のどこの学校よりも厳しい視線と注目をされて3年間を過ごしています。

卒業するとその「気楽さ」を実感し、注目されない「寂しさ」も経験する訳です。

畑さんは高校時代の「モヤモヤ」を大学で結果を出し、見事に晴らした北海野球部の中でも誇らしいOBの一人だと思います。


畑充さんプロフィール
北の高校野球ファン必聴!FM アップル 「北海野球部百年物語」

1976年(昭和51年)2月札幌市生まれ。

札幌もみじ台中では中学硬式野球「札幌白石(当時・白石イーグルス)」で活躍し1991年(平成3年)4月に北海へ入学。2年夏(平成4年)は1学年上の兄・寛史さんが主将で捕手として活躍、甲子園へ出場した。

2年新チーム結成時から主将となり、北海野球部史上初の兄弟主将が誕生、しかも2年連続兄弟で主将を務めた。3年春の全道大会8強が最高成績だった。

1994年(平成6年)に当時進境著しい東京農大生物産業学部へ進み2年時から3年連続で全日本大学野球選手権に出場し、ベストエイト入りも記録した。

現在も朝野球を中心に活動、北海野球部OBを中心に結成しているチームの中心選手。

4学年上(42期)の智也さん、1学年上(45期)の寛史さんとの3兄弟は北海ファンの中でも有名。



番組の冒頭で私ははっきりと「苦しんだ46期生、苦しんだ畑さん」と紹介しました。

これだけはっきりと紹介するのは実は珍しいのですが、堂々と紹介できるのは畑さんの高校卒業後の

野球生活、そして軟式野球での生き様が凛々しかったからです。

苦しみに負けることなく、人生を歩み続けていると思ったからです。

北の高校野球ファン必聴!FM アップル 「北海野球部百年物語」



「3年の夏は不安だらけでした。チーム全体の力、とかではなくて重圧がとてつもなかったのです。

まずは前年(平成4年度)南北海道大会優勝校(甲子園代表校)という立場だったこと。そして名門・北海野球部の『甲子園へ行って当たり前』の重圧。それに加えてこれは私だけが経験したことですが兄弟主将という注目のされ方。逃げ出したい気持ちもありました」


早生まれの畑さんは17歳にのしかかる重圧をどうはねかえそうとしたのでしょうか

「やっぱり・・・家族とも話しましたし、兄とも話しました。戦い方についてずいぶん話ました。もちろんキャプテンとしてチームをどうまとめるか、どう戦っていくかも考えていましたけれど・・・今も正直、その重圧ははねかえせていないと思いますよ」


畑さんは放送では話をしませんでしたが、マスコミや周囲から何度も同じような質問を繰り返されていたのでしょう。知らず知らずのうちにちょっとした「不信感」を持ったいたのかもしれません。

これは想像ですけれど。

北の高校野球ファン必聴!FM アップル 「北海野球部百年物語」


「3年の夏はブロック準決勝で札幌創成に0-2で負けました。試合のことは正直良く憶えていません。

試合が終わった後に『え?本当に負けたの?』っていう唖然とした気持ちを憶えています。控え室にはマスコミの方々がたくさん詰め掛けていましたが私は一言も何も話せなかったと思います。憶えている、というよりは浮かぶイメージは麻生球場の控え室で体育座りをしていることです。ええ、ヒザを抱えている感じです」


まるでもう一人の畑充さんがヒザを抱えている畑キャプテンと詰め掛けたマスコミを「何が起こったのだろう」と少しさめた目で見ているような感覚なのでしょう。


「いやぁ・・・つらいですよね。当時はどうやって家に帰ったのか、夜をどう過ごしていたのか全然憶えていないのです」

北の高校野球ファン必聴!FM アップル 「北海野球部百年物語」


この平成5年夏、札幌創成に敗れたことで畑三兄弟の高校野球、畑家にとって1987年(昭和62年)に長男の智也さん(42期)が入学して以来6年間に及んだ北海野球部の闘いを終えた日でもありました。この敗戦のショックは大きく、畑さんは自ら野球人生に幕を引こうと考えます。


「部屋に閉じこもりましてね・・・甲子園が野球の集大成だと思っていましたし。その甲子園への夢が消えた瞬間に『これが答えだ』って感じです。野球のことを考えるのもイヤなくらいになっていました」


今風に言えば「モチベーションをなくした」状態の畑さんにとって驚きの出来事がありました。


「あるとき、大西先生に呼ばれて『オマエ、網走(東農大)で野球をやってみろ』と声を掛けていただきました。もちろん野球を続けるつもりはありませんでしたけれど『(網走へ)行くか行かないか二日で答えを出せ!』って(笑)。そのスピードも良かったのでしょうね・・・結果的に高校での悔しさを大学の4年間で晴らすことが出来ましたし、すごく良かったです。もしも大学への道がなかったなら怖くなるくらい、大西先生には感謝しています」


以前(5月3日)に大西昌美前監督に出演していただいた際、畑さんの話を聞いてみました。

畑さんの話は書籍の取材時から印象的だったのです。

大西前監督はいつものとおりにとぼけながらもこう話してくれました。

「いやぁ、あまり憶えていませんね。ただ畑充君が何の理由であっても大学で野球を続けて4年間頑張ってくれましたから、畑君がそう(感謝の言葉を)言ってくれているなら嬉しいですね」
北の高校野球ファン必聴!FM アップル 「北海野球部百年物語」


大西前監督がすすめた東京農大生物産業学部は当時(平成5年)まさに野球に力を注ぎ始めた頃で、全国から優秀な選手が集まり始めていた頃です。神奈川商工高から進学した2学年上の石井大輔投手(NTT北海道)、新発田中央高から進学した1学年上の栗山聡投手(オリックス・中日)らが活躍、畑さんの入学後、2年時(平成7年)から連続で神宮出場を果たすなど黄金時代の礎を築きました。畑さんの同級生では北海の同期だった安宅範晃さん(NTT北陸・NTT北海道)や旭川大高で甲子園一勝を挙げた東原竜馬さん(一光)らが活躍し、全国8強入りの快挙を達成します(北海道学生野球連盟では最高成績)。


苦しみ抜いきながら勝てなかったキャプテンに差し伸べられた救いの手。まさに一つの道。

再びその道を信じて歩み始めた畑さんは網走の地で必死に頑張ったのでしょう。

すすめてくれた大西先生のためにも、と。


「野球を続けて良かった、と思えるのもそうですけれど、今もきっとこれからもずっと野球が好きでいられることが嬉しいです。あの時に(大西)先生に声をかけてもらって本当に良かったと思います」


きっと畑さんと大西前監督が直接こういった当時のことを話し合うことは一生ないと思います。

大西前監督はきっと「憶えていない」ととぼけ続けるでしょう。

でも私は思うのです。きっと大西前監督は畑さんがどうしたら再びやる気になれるか、野球が好きだ、という気持ちに素直になれるか、を考え続けていたのではないかと。

押し付けるのではなく自分で選択させる。

でも正しい選択をするように導いてゆく。


教え子はきっと正しい選択をしてくれる、いやきっと正しかった、と思えるように頑張ってくれる、と

信じていたのではないでしょうか。


きっとそんな師弟関係なのだろうなぁ、と思わせます。


「甲子園に出られなくても本当にいいチームだったなぁ、と思えるチームも多いんですよ」

大西前監督がよく言っていたこの言葉は畑さんとゆっくり話した今、

畑さんら46期生のチームにも当てはまると思うのです。


さて、今日はここまでにしましょう。

明日は畑さんだから後輩に伝えられること、をテーマに紹介する予定です。




7月26日 畑 充さんのリクエスト。本当はもっと流したい曲があったのデスガ・・・畑さん、スミマセン。

1.君は何かができる(99ハ-モニー/忘れていた名曲!不朽の名作『キャプテン』のオープニングです)

2.キセキ(Greeeen/今の時代の熱血応援歌。ご存知ルーキーズの名曲)

3.ありがとう(99ハーモニー/半分私が強引に『キャプテン』のエンディング曲。思い出すだけで泣けてきます)


★この『ブログ』、そしてラジオ番組、書籍についてのお問い合わせ、ご意見、ご感想

 (出演者への質問、出演してほしいゲストなども大歓迎です)は

お気軽に osakabe-story@ex.me-h.ne.jp までお寄せ下さい。


その他、「北海野球部百年物語」のご購入は下記取り扱い店まで

長壁明ホームページ「KABE-スタジアム」 もご参照ください。


★函館地区で初の扱い! 函館市美原 MEGAドン・キホーテ2階 北文館でも取り扱い開始!

北文館 0138-45-4107


★札幌地区なら

・紀伊國屋書店(札幌本店・オーロラタウン店・厚別店) 011-231-2131

・三省堂書店札幌店(JR札幌駅ステラプレス5階) 011-209-5600

・くすみ書房(地下鉄大谷地駅直結キャポ1・2階) 011-890-0008

・札幌明正堂書店(在庫は地下鉄宮の沢駅直結『西友宮の沢店』2階へ) 本社 011-561-3300

・西宮の沢バッティングパーク・ピッチャーガエシ(手稲区西宮の沢3条2丁目) 011-671-8989


★堀松さん(3月1日放送)の会社でも本「北海野球部百年物語」を扱っていただいています!OBのみなさん、是非お問い合わせください!

  ・堀松産商 留萌市花園町 0164-43-0702

 

さらに北海野球部関係者の方なら

★「ドリスポ」45期の斎藤秀行さん(2月22日放送)へ


★野球関係者の方なら

 北海道野球協議会(北4西6 毎日会館ビル地下1階) 011-281-5589

★オンラインショップは

上記「アマゾン」か 「47クラブ」(本の詳細もわかります) へ  


★お知らせです。

来週 8月2日のゲストは藤原航平さん(50期・平成9年度)です。

日本の最高峰で戦う一人です。名門・トヨタ自動車のキャプテンも原点は北海野球です!

札幌市外の方もインターネット放送 で聴くことも可能です。


番組へのメッセージ、ご意見、ご感想もお待ちしています。

メッセージは apple@765fm.com FAX 011-813-6767