関西学院大学 (全学日程2/1)文系数学 講評| 2025年度大学入試数学 | 東大数学9割のKATSUYAが販売する高校数学の問題集

関西学院大学 (全学日程2/1)文系数学 講評| 2025年度大学入試数学

●2025年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は関西学院大学(文系、2月1日実施)です。

 

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです。

 

2月に入り、本格的に2次試験シーズンがやってきました。お馴染みになってきたかもしれませんが、2025年 大学入試数学評価をやっていきます。


2025年大学入試(私大)シリーズ

関西学院大学(全学日程文系:2/1)です。

 

問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。 ☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。 

 

また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。 

※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。 したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。

 

同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。

本文にある緑字(この色)は、数学を受験する上で必要な原則を表しています。知らなかった場合は、言葉を覚えるだけでなく、必ず教科書や問題集等で該当する類題を数題見つけ、演習することで定着させてください。

 

自分で探して自分で解く。これが一番身につきます。

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関西学院大学(全学部日程:文系)(2月1日実施) 

(試験時間60分、3問、ハイブリッド型) 

※ハイブリッド型・・・記述式と穴埋め式が混合しているもの。

 

 

 

 

1.全体総評~軽かった去年よりは難しめ~ 

 

出題分野はほぼ例年通りですが、今年は解き方次第では結構時間を持っていかれるかもしれませんので、やや難化だと思います。というか、去年がかなりラクでした。

 

第1問は2次関数が復活し、あとは普段通りの確率です。第2問は数学IIと数B(数列)、第3問が微積です。構成が11年連続でほぼ同じです。


 

昨年の2次関数に比べると三角比は楽で、第2問の数列はメンドウさが戻りました。昨年易化しすぎた反動による難化って感じですね。

 

試験時間60分に対し、標準回答時間は80分【60分】制限時間ぴったしです。

2024年は63分【49分】(穴埋め考慮)

2023年は93分【72分】(穴埋め考慮) 

2022年は73分【56分】(穴埋め考慮) 

2021年は69分【57分】(穴埋め考慮) 

2020年は85分【64分】(穴埋め考慮) 

2019年は72分【56分】(穴埋め考慮) 

2018年は77分【60分】(穴埋め考慮) 

2017年は94分【74分】(穴埋め考慮)

2016年は88分【67分】(穴埋め考慮) 

2015年は82分【59分】(穴埋め考慮)

 

 

 

2.合格ライン~第2問以降がカギ~ 

 

第1問(1)は解の存在範囲。ある程度差はつくと思われるが、パターンなので出来れば全部欲しい。(2)も簡単な確率なので確保したい。

第2問は(1)も(2)もキー問題。(1)は図形的にアプローチし、ずる賢く予想できるとかなりラク。 (2)は絶対値付きの項の和なので、受験生が苦手そうな感じ。

合わせて半分以上は欲しいところ。

第3問は微積。グラフも単純で書きやすく、やることも一本道。ただし、第2問で時間を使い果たしてしまうとタイムアウトになるので、時間配分次第で差がつく。 

 

第2問で変に時間を使わず、第1問と第3問をおさえればボーダーでしょう。60~65%ぐらいでしょうか。

 

 

 

3.各問の難易度 

 

☆第1問(1)・・・【2次関数】解の存在範囲、切り取る弦の長さなど(AB、18分【12分】、Lv.2)

 

今年はまた2次関数でから。解の存在範囲です。まあまあな割合で最大最小の軸分けか解の存在範囲の印象。

 

最初は実数解条件。次はちょっと表現が遠回しですが、グラフを書いてみれば分かります。正の解と負の解をもてばOKということです。f(0)<0だけでいけますね。

 

 Principle Piece  正の解と負の解 → f(0)<0 のみでOK

(詳細は割愛。拙著シリーズ 数学I 2次関数 p.72 一部抜粋)

 

後半は2解がともに1以上の場合。D,軸、端点の調査です。

 

 Principle Piece   2解がp以上 → D>0、軸>p、f(p)>0 

(詳細は拙著シリーズ 数学I 2次関数 p.72 一部抜粋)

 

表現的にはこちらの方がストレートで分かりやすいですね。

 

最後は弦の長さ。解の差なので、実際に=0を解の公式で求めて引くのが意外とスッキリします。ルートのある項しか残らないので。

 

 

 

第1問(2)・・・【確率】最大・最小、条件付確率(AB、12分【8分】、Lv.1)

 

10年連続で確率。そして今年も最大・最小に関する問題。 

 

最初はこちらの原則に従うだけ。

 

 Principle Piece   最大値が5=「どれも5以下」ー「どれも4以下」

(詳細は拙著シリーズ 数学A 確率 p.13 参照)

 

どちらも、分子は3乗ー3乗の計算で出来ます。

 

(ii)は条件付き確率です。まずは原則を確認。

 

 Principle Piece   条件付き確率は「とき」の手前が分母、「とき」の前後が分子

(詳細は拙著シリーズ 数学A 確率 p.27 参照)

 

分母は先ほど求めた37通り。そのうち、1が1つでも入っているものを探します。4も入ってないとダメですから、(1,〇,4)ってことです。〇=1,4のときと、〇=2,3のときで総数が変わるので注意。

 

 

※KATSUYAの解答時間は順に計5:00、1:19。 2次関数はなんか全体的に値がキタナイな^^;あっとんかなコレ。まあ後で見直そう。確率はラク。

 

 

第2問(1)・・・【図形と方程式】円と接線、面積(AB、12分【8分】、Lv.1)

 

ここは毎年数IIの微積以外から出題される印象です。数Ⅱの図形と方程式からの出題ですが、本問は解き方次第でかかる時間に差がつくと思います。

 

私は図形的にアプローチしました。(ii)で面積を求めさせていることと、ある程度正しく図を書くことで傾きが1/√3 だろうと即座に予想しました。(そうでないと角度が出せないので、面積がもとまらない)

 

実際、図をかけば30°、60°、90°(1:2:√3)の直角三角形が見えます。これを利用すると傾きと点B(y切片になる)は瞬殺出来ます。

 

(2)は面積ですが、円弧絡みなのでおうぎ形を見つけます。見つけた直角三角形からおうぎ形引くだけですね。このおうぎ形の面積を求めるのに中心角が必要なので、角度が求まるような傾きのはずってことです!!

 

 

 

 

☆第2問(2)・・・【数列】等差数列と和(B、18分【12分】、Lv.2)

 

この位置には数Bが固定のようです。そして、また等差数列の問題です。等差数列好きですねー

 

使う原則も同じ。等差数列は初項と公差さえ決まれば決まります(条件が2つあれば決まるってことです)。今回は初項aと公差dをおいて最初の条件式から連立します。

 

 Principle Piece   等差数列は「初項」と「公差」が分かれば決まる

(詳細は拙著シリーズ 数学B・C 数列 p.3 参照)

 

一般項が出たら、a_1~a_50のうち、a_20までが正、そこから先が負だと分かりますので、それに注意して絶対値をつければ、

 

39+37+…3+1+1+3+…+59

 

となります。後半の赤字が、そのままだと負の項の部分です。赤字の部分とそれ以外で分けて計算すればOK。意外とこういうの受験生苦手かもですね。

 

(ii)は一般項でkを2kに変えてシグマとるだけ。2k-1も同様です。ただの計算問題。落ち着いて計算しましょう。25までなので、問題文の結果を使うことも出来なくはないですが、たぶん普通に計算した方が速い^^;

 

※KATSUYAの解答時間は順に2:25、6:14。図形も文系だと慣れてなくてまともに計算して時間かかりそう。数列も絶対値付きでぎょっとしそう。第2問が意外と合否の分かれ道か。

 

 

 

☆第3問・・・【微積分】2次関数、接線、面積(B、20分、Lv.2)

 

これで11年連続で微積分の分野から出題。今年は絶対値なし2次関数が題材で、普段よりも楽だと思います(普段は絶対値あり2次関数か3次関数が多い)

 

ただし、第2問で時間を食っていると勿体ない結果になる。

 

(1)のOPは原点通るので傾きだけ。y座標をx座標で割ります。接線は公式にあてはめればOKです。

 

(2)の面積は直線と放物線なので6分の公式です。

 

 Principle Piece  直線と放物線で囲まれてるなら「6分の」公式

(一部抜粋。さらなる詳細は拙著シリーズ 数学II 積分法 p.30,32 参照)

 

なお、面積はp^3/6です。pがマイナスなので3乗もマイナスです!!忘れた人、いるのでは??素直に6分の公式にあてはめましょう。(0-p)^3ですから、マイナスは付きますよね。

 

(3)もやることは単純。まずTは接線絡みの積分なのでこちらの原則で瞬殺です。

 

 Principle Piece  放物線と接線絡みの面積は (x-●)^2の積分を利用

(一部掲載。さらなる詳細は拙著シリーズ 数学II 積分法 p.33 参照)

 

あとは求めたSと足せばOK。微分して=0になるpを求め、-3<p<0で増減表をかけばOK。あるいは「p=-6+3√2の前後で導関数の符号が負から正に変わる」でもいいです。増減表の省略で時短ですね。

 

 

※KATSUYAの解答時間は8:35です。ここは普段よりかかってないな。絶対値もないしな。

 

 

 

4.対策~固定化された分野を重点的に~ 

 

まずは、出題分野がここ4年ほぼ固定です。第1問が数Ⅰ(2次関数が多め、残り三角比)と数A(確率多め)、第2問が数Ⅱ(微積以外)と数B(数列が多いか)、第3問が数Ⅱの微積、という感じです。これらの分野を重点的に行いましょう。

 

難易度的には、センター試験に少し毛が生えた程度だと言っていいと思います。このレベルであれば、拙著シリーズ『Principle Piece』でイチから取り組むだけで、もうそのまま過去問に接続可能です(てか、お釣り来ると思います)

 

穴埋め問題に対応できるために、最低限の答案量で計算する練習もしておくことも重要です。典型パターンを素早く見抜く力をつけましょう。

 

 

 

量をこなす演習:じっくり演習=9:1ぐらいですね

 

以上です。   

 

 

■関連する拙著『Principle Pieceシリーズ』(リニューアル版!) 

数学I Chapter3~2次関数~ (第1問(1)) 

数学A Chapter2~確率~ (第1問(2)) 

数学II Chapter3~図形と方程式~ (第2問(1)) 

数学II Chapter6~微分法~ (第3問) 

数学II Chapter7~積分法~ (第3問) 

数学B・C Chapter1~数列~ (第2問(2)) 

※分野、去年とほとんど変えなかったな^^;

 

計算0.9 (こちらは計算練習帳です^^)

 

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